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『い、いや、あのその、私待ち合わせしてて』

「飯食う時間くらい良いだろ。急いでないところを見ると、折を見て合流する約束とかだったんじゃねぇか?」

『うっ』


当たってる。
思わず顔に出てしまっていたようで、アッパッパと笑われた。



能力使って逃げるよりも、ご飯を一緒に食べて穏便に別れたほうが良いか。
そう考えて私は食事の誘いを受けることにした。





「おいこらテメェ!喧嘩売っといて逃げんのか!?」

「アッパッパ!良いだろ?キッド。お前ももう戦う気が失せたって顔してるぜ」

「チッ」



あぁ、思い出した。
この人はユースタス=キャプテン=キッド。懸賞金3億1500万ベリー。
シャクヤクさんが教えてくれたこの島で一番懸賞金が高い超新星だ。


ユースタスさんは盛大な舌打ちをするとズンズンと私達の方へ向かってきた。
手長さんに一発ぶち込むのかと思いきや、その大きな手は私の腕を掴んだ。




「喧嘩のお預けを食らった代わりにコイツはもらってくぞ」

『へ』


そのまま私を引っ張って歩き出す。

嘘、なんで、私!?

助けを求めて手長さんを見たが、彼は一瞬驚いた後笑って「それじゃトンズラこくぜ!あばよ!」と逃げていった。
決めた。絶対に今度会ったら悪夢を見せる。



連れてこられたのはさっき壁をぶち抜いた酒場の席だった。
かわいそうにお客さんは全員逃げてしまったようだ。酒場のマスターが泣いている。

ユースタスさんはそんなマスターにお構いなしで「酒と、こいつが食べれそうなもの」と注文した。




酒場の席にはユースタスさんとその仲間達と私しか残っていない。何で私はここにいるんだ。



「海鳴りをぶん殴りに行ったと思ったら、随分と可愛いの連れて帰ってきたな」

「成り行きだ。まぁ、男だけのむさ苦しい席よりはマシだろ」


そんな目的のためだけに連れてこられたの私!?

逃げ出そうと思えば逃げ出せるとは思う、けど。
命の危機を感じるのならともかく、何も起きてないこの状況でルフィさんよりもお高い賞金首の人に喧嘩を売る勇気はない。



ナミさん、ロビンさん。私そっちに辿り着けないかもしれません。




少しすると泣きそうなマスターがパスタを持ってきてくれた。
ユースタスさんを見ると「食え」と言うように顎をクイッとしてきたので、遠慮なく食べることにした。

普通に美味しい。

酒場ってご飯のイメージあんまり無かったけど、ご飯メニューあるんだね。

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(プロフ) - 神永さん» ありがとうございます!行き当たりばったりで始めた作品ですがそう言っていただけるとありがたいです☺️ (2023年2月3日 9時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
神永(プロフ) - ルフィの心優しさといい意味でアホっぽいところがよく出てて凄くいい作品でした…!!第一章最終回も楽しみにしてます!! (2023年2月2日 23時) (レス) @page21 id: c0702c41ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 霧氷さん» ありがとうございます!ちょっと構想ができたので行き当たりばったりですが連載始めてしまいました…!他の作品も更新しつつ書いていけたらと思ってますのでよろしくお願いします! (2023年1月5日 10時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
霧氷(プロフ) - 短編で読んだ時から、ずっとこの先見てみたいと思っていたお話なので、今読めて感動しています……! ご無理のないよう、今後の更新も楽しみにしています! (2023年1月5日 8時) (レス) @page6 id: 55eb7410ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年1月4日 23時

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