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とある島にて
その島は、ずっと夜だった。
空には満天の星がキラキラと輝いている
それが普通なのだ。この島に朝が訪れることはない
永遠に夜のまま
この島の住民達は、永遠に夢を見続ける
島の奥には立派な屋敷があり、その屋上で1人の少女が星空を眺めていた
足を投げ出し、ブラブラと揺する
『みんな、良い夢を』
覚めることのない、幸せな夢を
その時、コンコンとお城の扉を叩く音がした。
屋上から下を覗くと、1人の男性が扉の前にいるのが見えた
スルスルと階段を降りて、扉を開ける
『こんばんは……夢をお望みですか？』
少女の言葉に嬉しそうに男性はうなづいた
『どうぞ、中へ』
お城の扉がパタンと閉まる
男性は、2度とそこから出てこなかった
この世界には都市伝説がたくさんある。この島はそのひとつ。
その都市伝説の内容はこうだ。
世界に絶望した時、生きるのが辛くなった時、貴方はある少女の夢を見るだろう。
そして、夢の中に出てきた少女は貴方に語りかける。
「この島に来れば、貴方を助けてあげられる。幸せな夢を、安寧の夢を見せてあげる」
少女の申し出を受諾すれば、貴方は夢の島への切符を手にすることができる。
その島で貴方は幸せな夢を見ながら、永遠に眠り続ける。
夢の中では何でも自分の思うがまま。
現実世界では振られた女の子と結婚することもできる。悪を倒す正義の味方にもなれる。
現世の世界から逃げ出して、幸せな夢の世界に浸りましょう。大丈夫。そのうちどっちが夢か現実か分からなくなってしまうから。
この島の名前は
あの都市伝説の島。
そして島で唯一、意識疎通ができる人物があの都市伝説で語り継がれる少女。つい先日のニュースで懸賞金がかけられた連続行方不明事件の首謀者＿＿＿A＝Aである。
『…あれ？また海の方に灯りが見える。また誰か来たのかな』
気分転換に、たまにはこちらから迎えに行こうかな。
彼らもまた、幸せな夢を求めてこの島にやってきた人達のはず。だってこの島には、私が招待した現実から逃れたいと強く願う人間にしか来れないから。
世界政府が血眼で探したってそう簡単に見つからない。
『夢を見たいなら見せてあげる。幸せな夢を永遠に＿＿＿死ぬまで』
次に来る人は、どんな人間かな。
少しだけ弾む気分を抑えて、屋敷を後にした。
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礼(プロフ) - 神永さん» ありがとうございます！行き当たりばったりで始めた作品ですがそう言っていただけるとありがたいです☺️ (2023年2月3日 9時) (
レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
神永(プロフ) - ルフィの心優しさといい意味でアホっぽいところがよく出てて凄くいい作品でした…！！第一章最終回も楽しみにしてます！！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page21 id: c0702c41ce (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 霧氷さん» ありがとうございます！ちょっと構想ができたので行き当たりばったりですが連載始めてしまいました…！他の作品も更新しつつ書いていけたらと思ってますのでよろしくお願いします！ (2023年1月5日 10時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
霧氷(プロフ) - 短編で読んだ時から、ずっとこの先見てみたいと思っていたお話なので、今読めて感動しています……！ ご無理のないよう、今後の更新も楽しみにしています！ (2023年1月5日 8時) (レス) @page6 id: 55eb7410ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2023年1月4日 23時
