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「ごごはっ！どこだ！？」
目の前にいる女に問いかける。
思わず大きな声になってしまったが、白衣の女は冷静に答える。
「ここは病院ですよ」
「俺の仲間はどうした！？」
「仲間…？ご家族のことですか？面会の予定は今のところありませんが」
「違う！仲間だ！船の…海賊の仲間だ！」
はぁ？と眉を顰めると女はそのまま行ってしまった。
くそ、この拘束具さえ外せれば起き上がれるのに。
海楼石ってわけでもねぇだろうに何でいつもみたいに引きちぎれないんだ！
そう思い自分の両腕を見てギクリと冷や汗が垂れる。
なんだ。この腕。
老人のような、しわくちゃで骨しかない弱々しい腕。
これが俺の腕だっていうのか。
バタバタと腕を動かす。
俺の意思に連動する、確かに俺の腕だ。嘘だ。こんなのは嘘だ。
「嘘だ！！これは夢だ！！！おい、見てんだろてめぇ！名前……っわかんねぇ！けど、お前！！！」
身体を無理やり起こそうとしたら、さっきの女が飛んできた。
「先生！患者さんが暴れてます！！」
「鎮静薬を打とうか。それと、身体の抑制も追加しておいた方が良さそうだね」
「やめろ！！俺に触るな！！やめろ！！やめろ！！！！」
何で、何でこんな力が出ないんだ。
腕も伸びない。ゴムゴムの実の能力はどこへいった？？
頭がぼーっとする。
さっき注射された薬のせいか。
廊下の方からヒソヒソと声が聞こえる。
「ルフィさん、認知症が進んできてしまったみたいね。さっきも海賊の仲間とかなんとか言ってたし」
「海賊なんて…ふふ、何百年前の話をしているのかしら。おっかしい」
「ルフィさんって結婚したけど離婚しちゃって、子供も奥さんが引き取って完全に縁が切れてるでしょ」
きっと孤独で、妄想が膨らんじゃったのよ。
夢の中では海賊で仲間達と冒険でもしてるんじゃない？
……あれは、夢だったのか？
海賊王になりたくて数々の島を冒険したあの日々も。
信頼できる仲間達が出来ていったあの軌跡も。
全部……
いや
「夢じゃ…ねぇ、あれは俺の中にある」
いや、例えあれが夢だったとしても。こっちが現実だったとしても。確かにあの世界は存在した。
そうじゃなければおかしい。
あれは俺の冒険。俺の物語だ。
「絶対に！！認めねぇ！！！！！」
パリン、と何かが砕ける音がした。
『あらら、すごい精神力』
視界の端であの看護師が笑った。
思い出した。あいつは……
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礼(プロフ) - 神永さん» ありがとうございます！行き当たりばったりで始めた作品ですがそう言っていただけるとありがたいです☺️ (2023年2月3日 9時) (
レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
神永(プロフ) - ルフィの心優しさといい意味でアホっぽいところがよく出てて凄くいい作品でした…！！第一章最終回も楽しみにしてます！！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page21 id: c0702c41ce (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 霧氷さん» ありがとうございます！ちょっと構想ができたので行き当たりばったりですが連載始めてしまいました…！他の作品も更新しつつ書いていけたらと思ってますのでよろしくお願いします！ (2023年1月5日 10時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
霧氷(プロフ) - 短編で読んだ時から、ずっとこの先見てみたいと思っていたお話なので、今読めて感動しています……！ ご無理のないよう、今後の更新も楽しみにしています！ (2023年1月5日 8時) (レス) @page6 id: 55eb7410ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2023年1月4日 23時
