9 ページ11
「お前！さっきの！！こいつらに何してんだ！？何が目的なんだ！？」
麦わらのルフィの言葉に、船員達も続ける。
「みんなが眠ってんのは君の能力なのか？レディ」
「か、解放しろ〜。さもなくば〜ここにいるゾロくんが相手になるぞ〜」
「俺かよ」
彼らの言葉を聞いて、少女はため息を吐いて呟く。
うるさい人達。だから貴方達には関係ない所だと言ったのに…。本当は説明してあげる義理もないのだけれど。
『この人達は眠ってるだけ。私の＿＿悪魔の実の能力』
私はユメユメの実を食べた夢人間。
皆が望む夢を、幸せな夢を見せてあげられる。
どんな夢も思うがまま。
憧れの有名人と添い遂げたい、スーパーモデルになりたい、みんなを救うヒーローになりたい。
全部全部叶えられる。
『目的なんて無いよ。この人達が望んだから、私は彼らが望む夢を見せてあげている。…ただそれだけ』
少女の言葉にルフィが噛み付く
「本当に望んだかどうかわかんないだろ！どっちにしろ、このままずっと眠り続けるなんて絶対ダメだ！！」
全員起こせよ！
顔に青筋を立てながら叫ぶ。
そんなルフィの怒りとは反対に、少女は落ち着いている。
ルフィと変わらない、いやそれ以下の年齢に見えるのに、なぜこうも落ち着いているのか。
ルフィ以外の船員達は少し不気味に感じた。
『ダメかどうかを判断するのは貴方じゃ無い。それは主観的で自分勝手っていうやつに他ならないよ』
「うるせぇ！！起こせったら起こせ！悪かったかどうかは起こしてから決める！」
『…それじゃ意味ないんだけど』
少女は何度目かのため息をついた。
『夢から目が覚めたら現実を見ちゃうでしょ？今の彼らはあっちの世界こそが現実なの』
もし、貴方が今いるこの世界が夢の世界だと仮定して。
本当の現実の貴方はベッドの上でただ死を待つ老人だったとする。
『そうだったら目を覚まさなければ良かったと思わない？』
「何言ってんだお前…！俺はここにいる！ここが現実だ！」
『ふふ、どうだろうね』
怪しげに少女は笑う。
次の瞬間、視界がぐにゃりと変わる。
「何だ……これ」
「くそ、意識が…っ」
ルフィが周りを見渡すと、一味は全員床に倒れていた。
「っあいつらに何をした！！」
掴み掛かろうと少女に伸ばした手はあっさりと躱された。
『夢から覚める時だよ。麦わらのルフィ』
貴方の冒険はただの夢物語だったのだと知るといい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
礼(プロフ) - 神永さん» ありがとうございます！行き当たりばったりで始めた作品ですがそう言っていただけるとありがたいです☺️ (2023年2月3日 9時) (
レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
神永(プロフ) - ルフィの心優しさといい意味でアホっぽいところがよく出てて凄くいい作品でした…！！第一章最終回も楽しみにしてます！！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page21 id: c0702c41ce (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 霧氷さん» ありがとうございます！ちょっと構想ができたので行き当たりばったりですが連載始めてしまいました…！他の作品も更新しつつ書いていけたらと思ってますのでよろしくお願いします！ (2023年1月5日 10時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
霧氷(プロフ) - 短編で読んだ時から、ずっとこの先見てみたいと思っていたお話なので、今読めて感動しています……！ ご無理のないよう、今後の更新も楽しみにしています！ (2023年1月5日 8時) (レス) @page6 id: 55eb7410ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：礼
| 作成日時：2023年1月4日 23時
