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「何だ？要するにお前、異世界人って奴なのか？そいつぁ驚いたな！初めて見たぜ」
意外にも男は私が言ったことを信じてくれた。
今まで誰も信じてくれなかったのに。
『こんな小娘の言うこと信じるの？』
「新世界ならそういうこともあるだろ！何が起きるかあるかわからねぇからな！」
だから面白い！
そう言うとその人はまたアッパッパと特徴的な笑い声で笑った。
それに釣られて笑うとその人は「何だ！フツーに笑えるんじゃねーか！」と笑った。
「お前よぉ、天才達の曲をパクってることに気が引けてるのかもしれねーけどな。俺っちは良いと思うぜ？だってお前が弾かなきゃ、この世界にその天才達の曲は知られなかった」
いくら有名な曲でも、演奏する奴がいなきゃ“音楽”は成り立たねーんだよ。
演奏されなければその曲は死ぬ。
「この異世界でお前がその曲に命を吹き込んだ。そう考えりゃ少しは気が楽になるんじゃねーか？」
その言葉は私の心にじんわりと温かく広がった。
ポロッと溢れた涙を拭っていると、突然外がザワザワと騒がしくなってきていることに気がつく。
「チッ、もう来やがったか」
『え？』
そう言うと男はその長い腕で私を小脇に抱えると、傍にあった窓から飛び出した。
驚く私の背後から、スタッフや警備員の声が響く。
「天才ピアニストが拐われたぞー！？」
「海鳴りアプーだ！」
話の流れが読めず、とりあえず大人しくしていると男に「いや拐った俺としてはスゲー楽なんだけどよ、お前もっと抵抗するとかしたほうが良いんじゃねーか？」と呆れられた。
走っているうちに海岸へと着いた。アプーさんら停泊している船の一つに私を抱えたまま飛び乗り、それから素早い連携で船は出港した。
『あの。私、身代金を要求できるような家族いませんけど』
おずおずとアプーさんに話しかけると、彼はやれやれというようなジェスチャーをしてから言った。
「お前、自分の価値は金で測れると思ってんのか？」
『え？』
「お前は自分が思う以上に価値が高ぇよ」
なんせ、この俺っちが一目惚れした女だからな！
そう言うと彼はニヤッと笑った。
「ここはオンエア海賊団！音楽をこよなく愛する愉快な奴らが集まる海賊団だ！無理矢理連れてきて悪かったな！まぁでも、あの島にいるより絶対楽しいからよ！」
一緒に自由な音楽を奏でていこうぜ！A！
“一目惚れは音楽から”
(音楽好きな似たもの同士)
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月18日 9時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - 確かにルッチぱいせんは歪んだ愛情というイメージですもんね笑笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: 9040eede7e (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 酢さん» ありがとうございます！普段病んでるルッチしか書いてないので新鮮な気持ちで楽しく書きました笑 (2023年2月3日 17時) (レス) id: 70f1ae31b3 (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - うわぁぁぁぁルッチぱいせんめっちゃかっこいいんだぇ… 小説投稿頑張ってください…！！ (2023年2月3日 15時) (レス) @page16 id: 9040eede7e (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます☺️ (2023年2月2日 22時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2021年4月17日 18時
