一目惚れは音楽から（アプー） ページ7
「皆さんお待たせいたしました！今やこの世界には知らない人はいないでしょう！彗星の如く現れ、数々の名曲をこの世に残し続けている天才作曲家兼ピアニストAの登場です！！」
司会者の盛大な謳い文句が終わりステージの幕が上がる。
会場には溢れかえる人人人。
全員、私をまるで神様でもみるような目つきで見てくる。
スウッと一度深呼吸してから口を開く。
『皆さんこんばんは。私の演奏を聴きに来てくださり嬉しいです。今日は集まってくださった皆様のために新しい曲を披露します』
そう言うと、観客が一段と高い歓声を上げた。
中には泣き出してしまう人もいる。拝んでる人もいた。「もう死んでもいいー！」と叫んでる人もいた。死なないでくれ。私は殺人者になりたく無い。
おっと、危うく表情が崩れるところだった。スマイルスマイル。
『今宵は良い月が出ていますね。今日はこんな綺麗な月の日にぴったりの曲を弾こうと思います。それでは聞いてください＿＿月光。』
はい、曲名を聞いてピーンときた方も多いはず。そうです。これはかの有名なベートーヴェンさんの名曲です。
白状します。パクリです。
好きでこんなことをしてるわけじゃないんだ。ピアノのレッスンの帰り道、たまたま猫がいて『あっ黒猫ちゃんじゃーん』って追いかけたら何とそれはただの黒いビニール袋で、くっそ騙されたー！と顔を上げたら異世界にいたのだ。意味がわからん。
後にも先にもこんなアホな過程で異世界に飛ばされたのは私だけだと思う。
というわけで、私はやたら重いピアノのレッスン鞄だけを装備した状態で異世界に飛ばされてしまったのだ。人生ってハードモードだね。辛いね。
ちなみに私はピッチピチの高校生だ。
高校生の身寄りのない女子高生が無一文で生活するのは想像よりもめちゃくちゃ大変だということを知っておいて欲しい。
仕事先も住む所も見つからず途方に暮れて歩いていると、広場の真ん中にグランドピアノが置いてあるのが見えた。
この世界にもピアノあるんだーと思いつつ、半ば現実逃避も兼ねて私はピアノ椅子に座って演奏を始めた。
最初は心を落ち着かせようとドビュッシー作曲の“夢”やショパン作曲の“別れの曲”
とかを弾いていたのだが、段々ストレスが爆発してきてベートーヴェン作曲の“悲愴”やリスト作曲の“ラ・カンパネラ”などの激しい曲を弾き始めた。
最終的に厨二の時に覚えた暗くてカッコ良いボカロ曲も弾いていた気がする。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月18日 9時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - 確かにルッチぱいせんは歪んだ愛情というイメージですもんね笑笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: 9040eede7e (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 酢さん» ありがとうございます！普段病んでるルッチしか書いてないので新鮮な気持ちで楽しく書きました笑 (2023年2月3日 17時) (レス) id: 70f1ae31b3 (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - うわぁぁぁぁルッチぱいせんめっちゃかっこいいんだぇ… 小説投稿頑張ってください…！！ (2023年2月3日 15時) (レス) @page16 id: 9040eede7e (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます☺️ (2023年2月2日 22時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2021年4月17日 18時
