ボルサリーノの場合 ページ11
今日も今日とて私は海軍少将として与えられた部屋で、頼まれて断れなかった明日の会議の資料作りに勤しんでいた。カタカタとパソコンを打っているとタイピング音の狭間に自室の扉のノック音が聞こえてきた。
『どうぞー』とパソコン画面を見ながら返事をする。
『区切りの良いところまで打っちゃうから、ちょっとソファに座って待ってて。終わったらお茶入れてあげるからね』
「おぉ〜おかまいなく〜」
『………ん？』
私の部下はこんな低く野太い声はしていない。
キーボードを叩く手を止め首をそちらに向けると、ソファには何と黄色のヤクザ、もとい大将黄猿が足を組んで優雅に座っていた。
『えっあっ、すすみません！部下が来てくれたのだと勘違いして』
「おぉ〜A少将の部下になればお茶を入れてもらえるのかい？あっしもA少将の部下に立候補しようかねぇ〜」
『ご、ご冗談を』
海軍大将が一体私に何の用だ。
私は大将に怒られるような粗相をした覚えはないぞ。
とりあえずお茶とお菓子を黄猿さんに差し出す。
こんな茶菓子が大将のお口に合うのだろうか…？
『あの、私に何か御用でしょうか』
本題を切り出すと、黄猿さんは「おぉ、そうだったねぇ〜」と言って手を叩いた。
「Aちゃんは頼まれごとを断るのが苦手だったねぇ〜？」
『あっ、はい…そうなんですよね。頼まれると断れない性格で、ちょっと困ってます』
「頼まれないようにしてあげようか？」
驚いた。そんなことができるのか
「あっしはこれでも海軍大将だからねぇ〜そのくらい容易いことだよぉ〜」
『ほんとですか？じゃあ、ちょっとお願いしても良いですか？』
大将黄猿とのこのやり取りの後、私に何かを頼んでくる人はいなくなった。久しぶりにゆっくり過ごせる時間が増えた。
『あっ！黄猿さんおはようございます！聞いてください！頼まれごとが減ったので久しぶりにゆっくりできました！』
「おぉ〜それはよかったねぇ〜」
『はい！黄猿さんってすごいんですね！』
海軍本部には頼まれたら断れない少将がいる。
これは海軍本部の誰もが知る情報だ。
最近、そこに新たな情報が追加された。
その少将は大将黄猿の恋人である。
彼女に頼み事をするのならば気をつけろ、と。
「このくらいお安い御用だよぉ〜。Aちゃんを手に入れるためだからね」
外堀から徐々に埋めていくから覚悟しておいてねぇ〜
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月18日 9時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - 確かにルッチぱいせんは歪んだ愛情というイメージですもんね笑笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: 9040eede7e (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 酢さん» ありがとうございます！普段病んでるルッチしか書いてないので新鮮な気持ちで楽しく書きました笑 (2023年2月3日 17時) (レス) id: 70f1ae31b3 (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - うわぁぁぁぁルッチぱいせんめっちゃかっこいいんだぇ… 小説投稿頑張ってください…！！ (2023年2月3日 15時) (レス) @page16 id: 9040eede7e (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます☺️ (2023年2月2日 22時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2021年4月17日 18時
