王国崩壊（クロコダイル） ページ41
砂の国＿＿アラバスタ
私の生まれ育った場所。
少し前までは、争いを好まない平和な国だった。
変わったのはちょうど一月前。
王国自衛軍と反乱軍が激突したのだ。
そしてその勝負に勝ったのは…反乱軍。
国王は死に、部下は逃げ、王宮は崩壊した。
空いた玉座に座ったのは、反乱軍を影で動かし、国民からも“英雄”と呼ばれ慕われていた七武海＿サー＝クロコダイルだった。
誰もが彼の国王就任を喜んだ。
彼ならきっとなんとかしてくれる。傾いたこの国を立て直してくれる。
そう信じて疑わなかった。
…彼がこの国の古代軍事兵器を手に入れ、どこにも負けない軍事国家を作ろうとしているということなど、もはや知っている者は私しかいなくなった。
皆んな私を残していなくなってしまった。
すっかり変わってしまった王宮からの景色をぼんやりと見ていると、フッと影がかかったのに気付いた。
振り返らずとも、その影が誰かはわかる。
今この壊れた王宮にいるのは私ともう1人しかいない。
「気分はどうかね」
『…悪くはないわ』
「…ックハハ！これから処刑されるというのに、このお姫様は随分と肝が据わっておられるようだ」
そう。今日は私の処刑日。
天気は快晴。
まるで私の処刑を神様が祝っているかのよう。
私は今日、殺される。
悪逆非道の王国のお姫様として、見せしめに殺される。
「お前の姉は、麦わらと一緒に尻尾を巻いて逃げたというのに」
『……ビビ姉様は、貴方を倒すために色々とやってきたわ。それで無理だったんだもの。仕方ないと思う』
私は何もできなかった。
変わっていく王国をただ見ていることしかできなかった。
ビビ姉様みたいに国を守るために行動できなかった。
『見せしめに殺されるのがビビ姉様ではなく、私でよかった』
これは本心だった。
ビビ姉様は今までずっと国のために動いてきた。これからは自分のために幸せに過ごしてほしい。
そう願いながら、残りの時間を過ごした。
そしてとうとう時間になり、処刑台のある広場へと移動することになった。
予想以上に多くの人が集まっていて、多くの人達は私を憎悪の目で見ていた。
それも仕方ない。
彼らはクロコダイルに騙されていることに気付いてないのだから。
そして今私が1人それを叫んだところで、何も変わらないということも分かっていた。
「言い残す言葉はあるか？」
『…この国が好きでした』
ギロチンの刃が落とされた。
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Y - めっさスコ…ｯ‼︎ドレークの小説もっと増えて！ (2023年1月6日 11時) (
レス) @page27 id: 627083527a (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - 凄い、性癖にささる文章ばかり……… (2020年5月2日 16時) (レス) id: 28c7dd04d4 (このIDを非表示/違反報告)
軟骨(プロフ) - ホーキンスとルッチが大好きです、、！！最高です！！！ (2020年3月29日 2時) (レス) id: d947939996 (このIDを非表示/違反報告)
mikuri1024(プロフ) - お疲れ様でした！一番好きなキャラはクロコダイルなんですが、話は異世界ミホークと救世主ホーキンスがツボでした(//∇//)もし続編出たら必ず読みいきますね！沢山のヤンデレ作品ありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: e18f624388 (このIDを非表示/違反報告)
だてこ(プロフ) - お疲れ様でした!どの話もおもしろく、毎回更新通知がくるのを楽しみにしていました。なかでも1番好きなのはクロコダイルさんの王国崩壊です!たくさんのドキドキと興奮をありがとうございました! (2020年3月22日 0時) (レス) id: c248856c61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2019年8月24日 17時
