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ホーキンスの横を走って通り抜けようとしたが、たかが一人の無力な女ができるはずもなく
あっという間につかまってしまった。
「勘の良い女は嫌いじゃない」
やはり、お前にして正解だった。
耳元で囁かれた恐ろしい言葉。
その言葉を聞いて、私が思っていた嫌な予感というものが最悪の形で現実となってしまったことに気付く。
『……っ、私は、もう遊女じゃ』
「あぁ、今日の朝まででその契約は終わった。だが、その契約が終わる前に俺は楼主と契約をした」
頭の良いお前なら、もう気付いているのだろう？
そう、私は気付いている。
それを、その現実を受け入れたくないだけ。
ポロポロと涙が溢れてくるが、もう逃げようとは思えなかった。だって、どうせ逃げられない。
「良い子だ」
ホーキンスはそのまま私を横抱きにして遊郭の中へと戻っていった。向かうは桃源郷の間。
「ホーキンス殿！！これはこれは、うちのAが迷惑をかけて申し訳ない！」
「いや、気にしていない」
「この度はAを身請けしてくださるとのことで！お金も充分すぎるほどいただきやして！へへ」
そう、この楼主は金が大好き。
だからこそ、お金を払って自由になるという手は有効だと思っていたのに。
「いやぁ、Aも色んな身請け話断ってきたけど、最後にこんな良い旦那にもらってもらえて良かったじゃねぇか！」
その言葉に唇を噛み締める。
私が自由になりたくて仕事を頑張ってきたのは、知ってるはずなのに。
「さぁ、行こうか」
ホーキンスは再度私を抱き抱えると、遊郭の出口を潜り抜けた。
どこまでも続く青い空が目に入る。
外の世界に出るときは、自由になっていると思っていたのに。
「金さえ払えば気に入った女を自分のものにできる。良い文化だな」
『……呪われた文化よ』
「ふふ、まぁお前にとってはそうだな」
グランドラインのとある島。
そこには遊女、遊郭という呪われた文化がありました。
遊女は美しい鳥。遊郭はその鳥を閉じ込める籠。
ある1匹の鳥は、無謀にも自由を望みました。
籠の中から出たいとお金を貯めました。
そして10年経った時、ようやくその鳥籠から出る日がやってきました。自由な日々が待ってると思い、扉を出ました。しかし鳥は気づきました。
籠の外に金髪の異人さんが手を広げて待っているということに。
あぁ、今度はこちらの籠に閉じ込められるのか、と。
おしまい。
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Y - めっさスコ…ｯ‼︎ドレークの小説もっと増えて！ (2023年1月6日 11時) (
レス) @page27 id: 627083527a (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - 凄い、性癖にささる文章ばかり……… (2020年5月2日 16時) (レス) id: 28c7dd04d4 (このIDを非表示/違反報告)
軟骨(プロフ) - ホーキンスとルッチが大好きです、、！！最高です！！！ (2020年3月29日 2時) (レス) id: d947939996 (このIDを非表示/違反報告)
mikuri1024(プロフ) - お疲れ様でした！一番好きなキャラはクロコダイルなんですが、話は異世界ミホークと救世主ホーキンスがツボでした(//∇//)もし続編出たら必ず読みいきますね！沢山のヤンデレ作品ありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: e18f624388 (このIDを非表示/違反報告)
だてこ(プロフ) - お疲れ様でした!どの話もおもしろく、毎回更新通知がくるのを楽しみにしていました。なかでも1番好きなのはクロコダイルさんの王国崩壊です!たくさんのドキドキと興奮をありがとうございました! (2020年3月22日 0時) (レス) id: c248856c61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2019年8月24日 17時
