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『今宵は素敵な夢をありがとうございました。またいつでもお越し下さいませ』
「はは、Aちゃんは今日で遊郭やめるんだろ？次はもうないさ」
『あっ』
ついつい癖になっていた別れの言葉。
そうか、この言葉もこれで最後になるのか。
「自由になっても、良かったらまた会ってもらえないか？夜の相手をしろってわけじゃないんだ。Aちゃんと普通のデートがしたいだけなんだ！」
『ありがとうございます。是非に』
常連客を遊郭の出口まで見送り、頭を下げる。
最後の夜が終わった。
今日は約束の日。
私が遊郭を出る日。
「A様、楼主様が呼んでるでありんす」
『分かったわ。ありがとう』
「桃源郷の間に来いとのことでした」
『…え？桃源郷の部屋に？』
使われることがあるとしたら本当に上客が来た時の接待、もしくは多額の金を支払い身請けされる際に使われる。
たかが一人の遊女が一人で出ていくだけのことに、何故その部屋を使う…？
嫌な予感が、する。
自分の部屋で化粧直しをしてから行くと
元々、荷物はそんなに多くない。
着物の中に隠せる。
客間に行くふりをして、階段を通り過ぎる。通り過ぎる人達にいつも通りの挨拶をして歩く。
演技をするのは得意だ。
遊女は夜の女優なのだから。
そのまま、外へと繋がる裏口の扉に手をかける。
自分の借金はもう楼主に渡してある。昨日の夜で契約が終わりということも書面に記されている。
つまり、ここで私が外に出ても何も問題はないはず。
仲の良い遊女達にお別れができないのは寂しいけれど仕方ない。
嫌な予感というものは当たるから。
ガチャ、キイッ……
古びた扉を開き、自由な世界に一歩を踏み出すはずだった。
『何故…あなたがここに』
「それはこちらのセリフでもある」
扉の前にはあの男。
バジル＝ホーキンスが立っていた。
『っ、あなたには関係ない！私は今日で自由になるの。お金も払ったし、ちゃんと契約書もある』
「その前に郭の楼主に呼ばれていただろう？何故行かない？」
『それは…』
理由を答えようとしたところで、ハッと気付く。
何故、この男がそのことを知っている。
「“嫌な予感”でもしたか？」
頭を金槌で殴られたようなショックを感じた。
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Y - めっさスコ…ｯ‼︎ドレークの小説もっと増えて！ (2023年1月6日 11時) (
レス) @page27 id: 627083527a (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - 凄い、性癖にささる文章ばかり……… (2020年5月2日 16時) (レス) id: 28c7dd04d4 (このIDを非表示/違反報告)
軟骨(プロフ) - ホーキンスとルッチが大好きです、、！！最高です！！！ (2020年3月29日 2時) (レス) id: d947939996 (このIDを非表示/違反報告)
mikuri1024(プロフ) - お疲れ様でした！一番好きなキャラはクロコダイルなんですが、話は異世界ミホークと救世主ホーキンスがツボでした(//∇//)もし続編出たら必ず読みいきますね！沢山のヤンデレ作品ありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: e18f624388 (このIDを非表示/違反報告)
だてこ(プロフ) - お疲れ様でした!どの話もおもしろく、毎回更新通知がくるのを楽しみにしていました。なかでも1番好きなのはクロコダイルさんの王国崩壊です!たくさんのドキドキと興奮をありがとうございました! (2020年3月22日 0時) (レス) id: c248856c61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2019年8月24日 17時
