〈1〉病んでる海賊達の短編集【ワンピース】

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1月28日(水)

国王様が私の家に訪ねてきた。驚いて口をあんぐりと開けたまま固まっていると、彼はフフフッと笑いながら頰を摘んできた。
何かご用でしょうか。と聞くと、彼は私に会いに来たと言う。顔にボッと熱が集まった。



1月29日(木)

国王様が家に来ると、何故か熊のニックも木の人形もウサギのルルーも慌てて私に何かを訴えかける。いや、怯えているのかな？もう、そんなにビビらなくても大丈夫だよ。国王様は優しい人だから。



1月30日(金)

国王様に「俺の城に住まないか？」と誘われた。とっても光栄なことだけど私には大切な家族がいるから、と断った。だけどそれと同時に一つの疑問。
…あれ、私って家族いたっけ？



1月31日(土)

国王様に「オモチャは家族じゃない。家族なら夜になっても家を出て行ったりはしないだろう？」と言われた。確かにオモチャは夜になったらオモチャ箱に帰らないといけない。そっか。彼らは家族じゃないのか。
でもおかしいな。私、本当に1人家族だったっけ？じゃあ、ぼんやりと残るこの家族の記憶は一体何なんだろう。



2月1日(日)

国王様は毎日のように私の家を訪ねてきてくれる。遊びに連れ出してくれる。



2月2日(月)

どうしよう。私、国王様のことが好きになってしまったかもしれない。身の程知らずもいいところだ。



2月3日(火)

国王様がくれる感情。これが愛情というものなのだろうか。家族がいない私は愛情というものが、よくわからない



2月4日(水)

ウサギのルルーに恋の悩み相談をしたら、彼女は何故かブンブンと首を横に振って、私の足をポコポコと叩いた。ルルーは何を言いたいんだろう？喋れればいいのにね。



2月5日(木)

信じられないことが起きた！国王様が私に向かって「俺のものになれ」って！どうしよう。嬉しすぎて死んでしまいそう。もちろん返事はOKだ。だって、オモチャを除けば私は1人家族なんだから。誰かに了承を取る必要もない。



2月6日(金)

今日で日記を書くのは最後。この日記はここに置いていくことにする。最後なんだから日記を読み返してみようかなと思ったけど、国王様＿＿いいえ、ドフィが早くしろと急かすからやめた。
まぁ、過去の日記の内容を見ても私が恥ずかしくなるだけよね。パタンと日記を閉じて、私はドフィの手を取り自分の家を後にした。

熊のニック
木の人形
ウサギのルルー

みんな元気でね！
私、ドフィと幸せな家庭を作るね！

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