親睦会当日 ページ8
「硝子ーーー!!!」
「あ、歌姫先輩。こんばんわ」
指定された場所で歌姫先輩と待ち合わせていたら
遠くから歌姫先輩が走ってきて勢いよく硝子に抱きつく
久々に会った先輩は、相変わらず賑やかだ
だけど、そこがいい。
『こんばんわ。歌姫先輩、お久しぶりです』
「!!…もしかして、A?あなた、Aなの!?」
『はい。お元気そうで何よ「Aー!!!!」…グエッ』
勢いの籠ったタックルを衝撃波と一緒に私は受け止めた
仄かに香るいい匂い。これが大人の女ってやつなのかと感動していたら、歌姫先輩に突然頬を包まれる
「あんたッ聞いたわよ!?
夏油止めるために無茶したんだって!?
なんで一言相談してくれなかったのよッッ言ってくれたら…
もう馬鹿っAのバカァあぁ」
(あれ、この人もしかして既にもう出来上がってる?)
香る香水の匂いに混じって香った酒気
張り切りすぎて来る前からお酒を入れたらしい歌姫先輩は
硝子の言う通りかなりの酒乱の面影が見え隠れしていた
「今夜は覚悟してなさい!!私の話は長いんだからね」
『…え、え?』
「諦めな。もう歌姫先輩のテリトリーに入ってるからな」
『え?…うわっ!?』
「さぁ行くわよ!」
歌姫先輩に首を片腕でホールドされ、そのまま親睦会が行われる居酒屋へ向かった。
店の中へ入った時、既に一般のお客さんが出来上がってて所々で酔っ払いの大合唱が行われていた
高専関係者の姿を歌姫先輩と共にキョロキョロと探していたら
軽快な声で呼ばれた。
「あ、歌姫達じゃん〜くんの遅いよ」
「まだ開始まで10分あるわよ。馬鹿ね」
メロンソーダ片手に持つ悟。
一瞬だけ、目が合う
なんと言葉を掛けようか迷ってる間に、私たちに席の場所だけ言ってまた引っ込んでいった
その後ろ姿に、少しだけ物悲しさを覚えた
「さっ!飲むわよ!!
…どうしたの?A」
『いえ、なんでもないです』
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作者名:伊綱 | 作成日時:2023年10月2日 4時