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一触即発 ページ5

“悟へ


突然の手紙驚いたよね。ごめんごめん

この手紙読んでるって事はきっと私は五条家を後にした後かな?まぁ、きっと見たまんまだと思うけど



私は、自分にできる事を探そうと思う


ここまでたくさんお世話になったよ。



ありがとう



傑の事も、悟がいなかったら…きっと私も道を外してたと思う。ほんと感謝してもしきれないよ


やっぱり、持つべきものは戦友だねーーそれとね、”



『……ちょっと』

「…何?まだ読んでる途中なんだけど」

『いや手紙書いた本人の前で普通読む!?

私がいない所で読んでよ』

「お前がいない時に読んでこの手紙こんななってんだけど??」



ひらりと見せられた紙は一度びりびりに破かれたのかセロハンテープで修復された跡がたくさんあった



「つーか、終わるまで続けるから


お前に拒否権なんてねぇんだよ」



(なんか凄いキレてんだけど…

私そんな悪い事した??納得できない)



足を組んだ悟の前に正座させられて、淡々と自身の書いた置き手紙を音読される。


最後まで読み終わった頃にはもう、顔を上げる事さえできなかった




「で? なんで僕に黙って出たのさ」

『……大体、言う義理なんてないじゃん』



すくっと立ち上がって座っている悟を見下ろす。
未だギラつく青い目は、昔から変わらず綺麗なままだ




「…あ?」

『黙って大人しく聞いてたけど、やっぱり意味わかんない

なんで私が悟に怒られなきゃならないのよ
確かに何も言わなかったのは悪かったよ。謝る


でも、私はもういい大人だよ?小さな子供と違う



いちいちその日する行動をわざわざ悟に言わなきゃいけないわけ?



なんでもかんでも思い通りになると思わない事ね。』





思っている事を全て伝えたら、一気に頭が冷えてきた

でも、今の自分の言葉に後悔はない。



しばらくの沈黙が過ぎれば、悟はゆっくり立ち上がる





「………じゃあ、勝手にしろよ」






入ってきた時とは違う静かな足取りで部屋を出ていく悟


背中越しに聞こえた扉の閉まる音






後に残るのは、遅れて芽生え始めた小さな後悔






『……』




(ちょっと、言い過ぎた…かな)

呪術師親睦会→←詰みである。



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作者名:伊綱 | 作成日時:2023年10月2日 4時

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