事の成り行き ページ33
それからは大変だった。
感極まって涙腺が爆発した悟が大暴れし出して教室は半壊
傑を突発的に殴ろうとした所を、騒ぎを聞きつけやってきた夜蛾先生によって首根っこを掴まれた悟と傑が連れ出され、私と硝子で教室の片付けをする事になった
「さて、説明してよ。どうなってんのアレ」
『説明すると、長くなるんだけどね…』
思い返すは一年前、冥冥さんと憂憂くんと私で旅ったあの日
私は彼女達に目的を伝えた。
それは、傑を高専の教師としてスカウトする事
もちろん、既に200人近くいってる非術師殺しは消せない過去になってる。
分かってはいたけど、一個人の能力を見るなら殺すには惜しい人材であり、人手不足の呪術界を補う最高の要因にもなると踏んでいた。
「でもそれは、上の連中が黙ってなかっただろ?
第一夏油の居場所さえ分からなかったのに」
『あー。それは大丈夫』
二度目の離別後一度だって発揮されなかった双子感知センサー
心境の変化か、不意にここだと思った場所に行くと傑はいて
役に立たなかったセンサーがついに仕事をしたんだとその時分かった。
そこからはもう逃走と追跡と戦闘の繰り返した。
何度も何度も繰り返して、私は傑に言い聞かせ続けた
『一緒に教師になろうよ。傑』
「頭湧いてんのか?私はもう呪術師には戻れない」
『罪を償う過程で生徒を教えてみたらどうだろう』
「非術師を守る事に意味を見出せないね。諦めろ
私と君達とでは進む道が違う」
『非術師を救わなくてもいい。それは私達が担うから
あんたは、術師を死なせない為に高専で生きる術をこれから訪れる生徒に教えてやってほしいのよ』
「やめてよ姉さん…私は……僕は、」
半年
昼夜問わず傑を追いかけ続けた。やばい勧誘者みたいになりつつあったのは自覚済みだったけど
諦められなかったんだよ
悟と傑
最強と謳われたあなた達が手を差し伸べて道標となったなら
きっと、昔よりも…今よりももっと
若い芽が摘まれる事は無くなるだろう
灰原の様な子を一人でも多く無くせる
最短で最速で最高の未来
私の独り善がりなのはとうの昔に自覚してる
でも……それでも……私は、言わずにはいられなかった。
『あんたじゃなきゃ、導けない人がいる
傑じゃなきゃ…救えない命があるんだ』
222人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊綱 | 作成日時:2023年10月2日 4時