青の道標 (ページ31)

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＊待つ者へ＊ページ31

『わ、もう春か』

舞い散る桜の花弁を横目にそんな事を思う

なんて、穏やかな事を口走ってはいるが正直かなり焦ってはいる。

悟と約束していた一年を余裕で越して、あの日からもう二年が経ってしまった

中々帰らない自分を待つさびしんぼ君がぐずってないか

禁煙をかなり頑張ってた親友が再びタバコに手を出してないか

そんな不安はあれど、きっと二人は驚くだろう未来を想像すると上がる口角を抑えられなかった。

「何笑ってるの。気持ち悪いよ」

『そんな真面目な顔して言わないでよ。地味に傷つく』

「あぁ、いつもの事か」

『良かったわね、昔の私なら問答無用でグーパン一択だったわ』

減らず口から飛んでくるヤジを右から左へ受け流せるほどに、今の私はとてつもなく寛容なのだ

『早く高専着かないかなぁ〜』

旅立ってから早二年の小春日和

今日、私は高専に戻ってきた