頼もしい同伴者 ページ30
「いやぁ嬉しいよA
私を君の旅に同行させてくれるなんて」
『冥さん。お久しぶりです
すみません変な事依頼して』
「水臭いじゃないか。いつも言っているだろう?
私は君を気に入っているんだ
分かるかい?こう見えて嬉しさのあまり高揚しているんだよ」
『あっはは…それは良かった』
今回の旅の目的には少なからず一級以上の術師が二人以上必要である。本当はもう少し人員が欲しかったが、人手不足の事は知っていたので実力のある人一人を借りる事にした。
冥冥さんは即行で二つ返事でOKを貰ったけど
憂憂くんの参加も込みで事実上3人となったこのパーティはかなり心強い
「はぁあ〜…姉様とAさんのツーショットッッ
永遠にこの眼球に留めておきたいっっっ!」
うん。元気いっぱいでいい事だね。
「A。この旅の目的を先に教えてもらおうかな」
『……そうですね』
荷物を車に乗せてる私に、冥冥さんが問いかけてくる
そうだ、話しておかなきゃ…旅の意図を
『私には、ある目的があるんです』
「__ほう。それは中々に甘美で、それでいて愉快だね
でもいいのかい?それを叶えるにはかなり過酷な旅になるよ」
『…ええ。わかってます』
これから来る未来に不安はあるけど、私の中にはしっかりとした意思がある
「ふふ、いい目だね。どうやら決意は固い様だ」
『もちろん』
ふと、空を見上げる
何度も見てきた彼の瞳の色に良く似た青
いつでも見守っててくれる様な錯覚を覚えた。
『悟』
この広い空の下の何処かにいるあなたに
また会うその日まで、しばしの別れだ。
『行ってきます』
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作者名:伊綱 | 作成日時:2023年10月2日 4時