話し合い。の前に… ページ19
「A!!!」
ガラッと勢いよく開けた襖の向こう側には
飲みかけのお茶を戻して、呆れ返ったAが悟を凝視していた
『ちょっと…何の騒ぎ?朝っぱらから』
「……はぁ、よかった
また逃げられたかと…」
『私を何だと思ってんの』
「何も言わずに出てった奴がよく言うよ」
その場にへたり込む悟を、遅れてやってきたさぎりが小突く
「悟。入り口にへたり込んでないで中入りなさいな
ただでさえ体が大きいんだからそこにいては使用人の邪魔になるでしょ」
「…頭がガンガンする。ちょっと待って」
「花江。悟に二日酔いの薬を出してあげて
あ〜そうね。一番苦い粉のやつでいいわよ」
「ドSか」
「ひと聞きの悪い事言わないでもらえる?
あの薬が一番効き目早いのよ」
『悟。私に話があるのなら後でゆっくり聞くから
今は部屋で休んできなよ』
「また、僕の前から消えるだろ…お前」
空げな目で、悟はAを射抜く
だが、その目をしっかり受け止めてAは首を横に振った
『どこにも行かない。絶対に』
『大丈夫』
「…分かったよ」
もし違えたら、絶対許さない。
もう一度だけ念押しして悟は花江と共に部屋へ引っ込んでいった
「ごめんなさいね…わがままな子で」
『いえ。こればっかりは私にも責任はあるので』
「悟が復活するまであなたもゆっくりしていきなさい
何だったらまた飲む?」
『それはまた後日でお願いします』
呪いじゃなくて、祈りを込めて→←母と息子の反省会 悟side
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作者名:伊綱 | 作成日時:2023年10月2日 4時