青の道標 (ページ12)

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説明して　硝子side ページ12

誰か、説明して欲しい。

私がいない間に、何があった？

『おいこら五条悟。私のどこが性格悪いってぇ？

その美顔ズタズタにしてやろうか』

「うわぁあぁあんっAがいじめるぅう！！！」

うっそ、五条のやつあれマジ泣きじゃないか。

ありゃ相当酔ってんな

歌姫先輩の介抱を終えて、取り残されてるAが心配でなるべく足早に席に戻ってきたはずだった

だが、目の前の光景は一言でいうならカオスで

まずはこの状況を知る為にまだ正気を保ってそうな七海か伊地知あたりを探す

「家入さん」

「…七海。何があった

Aもそうだが、五条もいつもの倍変だぞ」

「五条さんの方は、お酒弱いみたいで伊地知くんが頼んだばかりのウーロンハイを誤って半分飲んでしまい一度倒れました。

しばらくそのまま寝てたんですが

今度は泥酔したAさんが来て」

眠ってた五条を叩き起こして今の今までずっとあの感じだ。と

(ったく、あの馬鹿下戸のくせに何やってんだか)

ぶんぶんと五条の胸ぐらを掴んで無遠慮に揺さぶり続けるAがいた席を見れば、空になったビールジョッキとカクテルの容器がぱっと見だけで10はあった。

「伊地知くんが最初止めてたんですが、たまたまAさんの肘打ちをもろにくらって」

七海によって安全地帯に身を置いていた伊地知は、伸びたままびくともしない

「私は怪我したくありませんし、五条さんを助ける義理もないのでここで傍観してました」

「あぁ。きっとそれが賢明な判断だよ」

とりあえず、ほとんどの人間が二人を遠ざけてるのが不幸中の幸いか。

さて、これからどうしようかな。

…

『いつまでもびーびー泣いてんじゃないわよ情けない』

「うぅ…僕悪くないもんッ

もうAなんて嫌いだぁあっ」

そろそろ止めようかと二人の元へ向かってた時に聞こえた五条の声

『……え、きら、い？』

酒の影響で顔を真っ赤にして未だ泣き続ける奴の言葉にAの表情が変わり動きが止まる

『……んで…

なんで、そんな事言うのよぉっ』

さとるのばかぁあっっ

情緒が不安定なのか

五条の言葉が思いの外堪えたのか

五条に続きAも泣き始める

現場は更にカオスが増し、私は頭を抱えた。

(泣き上戸×2は流石にきついって)

私は必死に関わるまいと懸命に気配を断とうとする七海に訴えた。

「おい、あの幼児達誰かなんとかしてくれ…」

「無茶言わないで下さいよ…」