青の道標 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:26 hit、合計:18,087 hit

やけくそムーブ　悟side ページ11

(あぁ…くそっ)

イライラする。
原因は分かってる、あいつだ

数分前の一件を思い出せば、また胸の奥がざわついて
振り払うようにしてテーブルに突っ伏す

(んな簡単に手握らせてんなよな。クソが)

Aに言い寄ってた野郎は適当に説明して他のやつに託した。

そういうわけで、現在進行形で僕は目の前に座る男なんてお構いなしにイライラを表立って露わにしていれば

案の定七海が口を出してきた

「…五条さん、やめて下さいよ。
せっかくの酒が不味くなります」

「？僕なんかした？」

「Aさんに変な虫がつくのが嫌なら、隣に座れば良かったじゃないですか」

呆れた様にため息を吐きながら目の前でビールを飲む七海

ため息つきながら飲む方が不味くなるんじゃねぇの？

そう言いたかったが、あいにくそんな気分でもない

「…Aと喧嘩したから無理」

「…今度は何したんですか」

沈むテンションを変えようと近くにあったウーロン茶に手を伸ばしぐいっと一気に喉に流し込んだ

「！五条さんそれッ」

「え？」

ウーロンハイです。
咄嗟に気づいて止めようとした伊地知の手が一瞬遅く

気づいた頃には半分くらい減っていた中身

それを自覚した時に感じた凄まじい動悸とぐらつく視界に慌ててテーブルに手をつく

だけど、それでも足りなくて

「…っ」

「五条さん！」

バタンと倒れた体を起こす間も無く急激に視界が暗くなるのを感じて、そこで僕の意識は途絶えた