・黄昏の出逢い、残された理由 ページ8
早い濁流の中を、オレは凛を抱えながら流される
(…凛)
兄ちゃん、全然お前の事守れなかった
お前が連れ去られたあの日から、後悔の連続だよ
ごめん。ごめんな…
全部、終わらせたら…オレさ
お前に謝りに行くから
それまで、待ってて
抱き返してくれる事はないとわかっていた。
それでも、途切れる意識の中 オレは強く凛の体を抱きしめずにはいられなかった
……
…
その後、運良く陸地に流れ着いたオレ達を見つけたのは当時のタソガレドキ小頭・雑渡昆奈門だった
「やぁ、気分はどうだい？」
『……ここは、地獄か』
「君、今絶対私の顔を見て言ったよね？傷つくなぁ」
『…そんな事、思ってないくせに』
「……まぁね」
頭がだいぶスッキリした所で、オレはふと凛が側にいない事に気づく
『！！……！？い、…』
「あーこらこら、急に動くんじゃないよ
所々打ち身が酷いんだからしばらく安静」
『凛…、…オレの側に、女の子いなかったか』
「……あぁ。女の子 いたよ。
でも残念ながら既に息は『そんな事分かってる！！』」
『体は…亡骸は何処にあるって聞いてんだよッ』
「落ち着きなさいよ。大丈夫
丁重に供養したよ。流石にあのままだと数日経てば朽ち始めてしまうからね
ここにその子のお墓がある」
『…っ、……そ、ぅか』
「君の大事な人だったのかい？」
『……オレの、 オレの…妹だ』
「…そうか」
雑渡昆奈門が差し出した紙切れには、“金楽寺”と言う名前と大体の場所が記されていた
『……う、ぅう…』
紙切れを握りしめて、オレは静かに泣いた。
オレは、妹一人…自身の手で弔ってやらなかった
結局何も…できない
不甲斐ない。役立たず。
「……こんな事、今言うのははばかられるんだけど
君、巷で噂の“赤鬼”くんなのだろ？」
『………だったら、なんだってんだよ』
「うちの殿が、君に依頼したい事があるらしい
引き受けてはもらえないだろうか」
オレの中に残されたただ一つの“生きる理由”をしかと胸に刻む
断る理由なんてない。
『話を聞かせてくれ』
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名無し46178号(プロフ) - 面白すぎて徹夜してみました！ (2月28日 22時) (
レス) @page16 id: f99e80254f (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 空さん» 同業者様でした！コメントありがとうございます。お互い頑張りましょう！ (9月9日 13時) (レス) @page5 id: 4fcd5fb6be (このIDを非表示/違反報告)
空 - 面白いです。お互い更新頑張りましょう (9月9日 13時) (レス) id: ffd33a398f (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - とーふぶさん» そう言っていただけて嬉しいですありがとうございます！！！ (9月9日 13時) (レス) id: 4fcd5fb6be (このIDを非表示/違反報告)
とーふぶ - めちゃめちゃに面白くていっきに見ちゃいました！！最高です！ (9月8日 14時) (レス) @page4 id: b0fcd58480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊綱 | 作成日時：2023年9月1日 2時
