花房牧之介 ページ48
「…ほら 食えよ」
焼き立ての魚を投げ渡し食べる様促す
しかし警戒心マックスのシキはそれを食べる事はせず小平太の側にピッタリとくっついていた
密かに威嚇し続ける姿は側から見れば子供を守る親そのものだ
「可愛げのない奴」
《…》
「そいつはお前の飼い主なのか?」
《…》
「一応言っておくがな。私はただここで野宿をしようとしていただけでそいつはさっき空から落ちて来ただけだからな
怪我させたのは私じゃない」
そんな事は分かっている
一部始終を見ていたシキにとってはどうでもいい報告であった
ただこれから目の前の男が何もしない保証もないから警戒しているだけであって
(擦り傷はあれどその他目立った傷は無さそう)
骨は数本やられているかもしれないが、絶命するより遥かにマシだとシキは思う
(忍術学園に連れて帰らないと…このままではダメだ)
常日頃、小平太とシキは相性がすこぶる悪い
と言ってもシキが一方的に小平太を嫌っているだけだが、それでも今はAを見つけ連れ帰るという共通の目的がある
小平太に呼ばれて現状を聞くまで、シキは山を駆け巡っていた。Aの状況を何も知らずに
だから、シキは小平太にとても感謝していた
だから、協力する事を了承した
仲が悪いこの1人と1匹だが、唯一共通する点はただ一つ
なによりもAが大好きな事なのだ。
(A…)
空を仰げばいつしか暗くなっており月が顔を出していた
ほぼ朝から走りっぱなしだったシキの腹は限界に近い
空腹に抗えなくなって来たシキはそろそろと牧之介がよこした魚に鼻を寄せ、くんくんと匂いを嗅いでからゆっくり口をつける
「お、食べた」
牧之介の強い視線も気にせず魚に食らいつく
(お肉が良かったけど、魚も美味しいからいっか)
172人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時