シキの不安と小平太の運 ページ47
《こへーたッ!!こへーた!!!》
崖を下り、小平太が落ちていったと思われる場所までやって来て小平太を探すシキ
(いない…どこだよ、こへーた)
……
《本当に、殺したの?こへーたを…》
『この程度の崖で落ちて死んだなら、それまでの運だったんだ』
《…どうしてこんな》
『…こうでもしないとあいつはまた俺を追うだろ。
俺のせいで危険な目にあわせてなるものか』
そう言って歩き出したAは一度も振り返らなかった
残されたシキには、彼を追う事ができなかった
《A、分からないの…?
こへーたを危険な目に合わせたくないとAが願う様に
こへーたらもまたAに危険な目にあってほしくなくてここまで来た。休む時間が惜しいと一度も休む事なくだよ?ねぇ、A》
届かない言葉は独り言でしかない。
それでも、呟かずにはいられなかった
想い合う心は揃っているというのに、どうしてこうもすれ違うのだろう
(…こへーた。
Aが本当に大好きなら、こんなところで死んでる場合じゃないんだからね)
あのとき、高さといい落ちるときの体のバランスも良くなかった。
だから生死の両方の可能性は五分五分と言ったところだろう
ただ一つだけ…小平太の持つ強運を信じてシキは足を進め続けた
(匂いが近づいてきた。すぐそこの…草むらの向こう!!)
《こへーた!!》
「うわぁああ!!!な、なんだお前ッ」
《!?》
小平太の匂いを辿ってシキが行き着いた先で見つけたのは
傷つき気を失っているのか微動だにしない小平太と1人の男がいた。
シキが後に彼が忍術学園の子らが言っていた自称・剣豪の花房牧之介と知るのはまだ先の話である
172人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時