集まる者達 ページ36
「竹谷ッ止まれ！！」
早歩きで正門を抜けようとした竹谷の肩を掴み、動きを止める伊作。竹谷はそれを振り解き、また進もうとした
しかし、目の前に久々知と不破が阻むようにして立ち塞がる
「竹谷、お前の気持ちは痛いほどわかる。でも、今はどうか抑えてくれ」
「伊作先輩は悔しくないんですか？
あの人が何を考えて、何をしようとしているのか予想一つできずに行かせてしまったこと」
威嚇するようにして吐き出された言葉は竹谷の後悔の表れだった。長い間隣にいながら何一つ気づかなかった
鷹尾Aの右腕という自負もしていたと言うのにこの失態だ。どうしようもないやるせなさが芽生える。
「…悔しくないわけないだろ」
絞り出すようにして出てきた言葉は思ったよりも低い
「これ以上ないくらい、腑が煮え繰り返ってるよ」
「…っ」
今なら文次郎や留三郎と張り合えるのではないか？
その場にいる全員にそう思わせるほどに、伊作は極悪極まりない顔をしていた
それ程までに、今の伊作は怒り狂っていた
「理由はどうであれ、Aのやろうとしている事は僕らにとっても許容し難い。
あいつも馬鹿だよね。あれだけたくさんの時間を一緒に過ごした仲間が、そう簡単に手を離すわけないじゃないか
そうだろ？みんな」
伊作のセリフの後、少し後ろに横並びに集まるのはいつだって頼りになる存在達で…
「あの馬鹿たれ。何が退学届だ、根性叩き直してやる」
「あぁ、まったくだ。我々にも何も言わずに消えるとはけしからん」
「おい竹谷！お前1人で行こうとするな。俺らも混ぜろ」
文次郎、仙蔵、留三郎の突然の登場に驚いていれば
今度は真横の木から更なる人の気配＿_。
「小平太が既に動いている。だから安心しなさい
絶対に、逃しはしない」
「中在家先輩！？」
いつも声が小さくて聞き取りにくいと評判の長次の声
だけど今日は、とてもよく心に響いた
「…っ」
「連れ帰ってきたら、一発殴ってやればいい
今まで言えなかった分、たくさん我儘も言ってやれ
その権利は十分お前にあるんだから
だから…もう少しだけ我慢だ」
「…っ、はぃ」
ぽん、竹谷の肩に長次の手が乗る
その手の大きさと暖かさに、幾分か心が落ち着いた
「待つのじゃ」
「！ 学園長…」
鉢屋、尾浜を後ろに従え遅れて追ってきた学園長が竹谷を見据える、そして全員を見た後、静かに言った
「全員一回、わしの部屋に集まれ
大切な話をしなければならん」
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます！！めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (
レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます！！なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊綱 | 作成日時：2020年7月25日 13時
