過去編 「屍」と呼ばれた少年3 ページ24
「別に摂って食ったりしねぇから安心しな
でも、その反射神経…本当にただの子供じゃあないみたいだな」
『…あ、あなたも、忍び…なのか？』
「元だよ。今はここで農家をしながらAと2人で暮らしてる」
『親子…で、ですか？』
「あぁ。そうだ」
(親子、)
「父さん！摂ってきたよ！！
見てよこれ、でっかいきゅうり！過去最高じゃない？
摂るのに一苦労しちゃった……うわぁ！！？」
「！ Aッ大丈夫か！！？」
「う、うん…えっへへ。お客様に美味しい野菜食べてもらおうと思って少し多くとりすぎちゃったみたい」
「まったく…よっこいしょ。怪我はない、みたいだな
あんまり無茶するなよ？」
「うん。ごめんなさい父さん」
転んだAを抱き起こして膝についた土を払い落とす
さっきもそうだったが、この大男はあの子を見る時
いつだって優しい目をしていた。いつ、何時も
とても大切にしているのだとこれでもかってくらい伝わってくる
(親子、か…)
“父上、あの”
“何度言わせる気だ。父と呼ぶなと言っただろう
わたしの事は“頭領”と呼べ”
“……はい。頭領”
『…父、上』
＿＿ずきっ
突如感じた胸の痛み
心臓にずっと棘が刺さってるかのように痛い
(これが、本当の親子なら…俺達は一体)
『う、うぅ…』
「！どこか痛むの？大丈夫」
「おい、どうした？」
いきなり泣き出す俺に、2人が慌てた様に顔を覗きこんでくる。2人の姿を見た時、俺は知ってしまった
“本物の、親子の絆の在り方”を
(父上…、俺も)
『う、ひっく…ごめん、なんでも…ないから』
「何言ってるの。泣きたくなるほど辛い事があったんじゃないの？我慢しなくたっていいよ。ね？」
「子供は我慢なんてするんじゃない。溜まってるものがあるのなら全て出してしまえ」
泣き止まない俺を必死に宥めようとする2人の優しさに涙はたまるどころか増すばかりだった
その日、俺は泣いた。
それはもう、盛大に
(ねぇ父上。俺も…あなたとこんな風になりたかったんです)
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます！！めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (
レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます！！なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊綱 | 作成日時：2020年7月25日 13時
