覚悟と別れと近づく真実 ページ21
『…っ、ここは』
「！ 鷹尾くん！」
『…ぁ、諸泉さん。俺は、』
気づけば俺は何処かの広間の布団で寝かされていた。
タソガレドキの城内である事に変わりはないようだが、心配そうに顔を覗き込む諸泉尊奈門さんが視界に入り
今までの経緯を聞いた
「地下牢の様子を見てこいって言われて見に行ったら君が倒れてるもんだから驚いたよ
今組頭来ると思うけど、もう少し寝ていた方がいい
顔色も悪いし」
『すみません…手間をかけさせてしまって』
「いいのいいの。気にしないで」
尊奈門さんはまだ仕事が残ってるんだと言って出て行ってしまった。誰もいなくなった部屋で一人、先程の男の話を思い出す
“あの方に楯突こうってのか？
随分と生意気に育てられたものだな。
あの方が聞いたらさぞかしお怒りになるだろうよ
なぁ、“屍” ”
『…っ！！』
ガバッと勢いよく起き上がる。
(あの口振りからしてあの刺客、間違いなくあの人の部下だ。
なら、はちや関連の出来事ももしかしてあの人が？
2年前、忍術学園を潰す為に色んな城の連中誑かして攻めさせたのも…？)
もしそうだったならば…俺は、
『…っ』
「あらあら、地下牢で倒れたって聞いたから少し慌てたんだけど、元気そうじゃないの」
『…雑渡、さん』
「君とお話ししたくてね。仕事早く終わらせてきちゃった」
『お話？』
「君が最も知りたがってる全ての情報を揃えたんだけど…
知りたいでしょ？」
『！！ 教えて下さい！』
「教えてあげてもいいけど、私にも教えてよ
君の、“本当の姿”を
この間の続き。
君にとっても私にとっても別に難しい話じゃないはずだ」
『いいですよ。話しても』
俺は二つ返事で了承した
あっさり了承した俺に雑渡が少し驚いた表情を見せたが、もう何だっていい
(どうせもう俺は…)
『あなたが知りたがってる事全て、話します』
この時俺の中で、一つの覚悟が決まっていた。
だからこそあそこには、
忍術学園には…もう、戻れない
“A！”
『…』
不意に霞んで見えた級友達の笑顔が横切り、消えていく
(さよなら、俺の思い出達)
……
…
ぶちっ
「！あっちゃあ…鼻緒が、」
お使い途中、突如切れた鼻緒を結び直す
不吉な予兆を感じ、遠くの森を見上げた
「……A？」
無意識に出た名前は、誰に聞かれるでもなく
ただ遠くの空へと消えていった＿＿。
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます！！めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (
レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます！！なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊綱 | 作成日時：2020年7月25日 13時
