虹色刑事 2nd (ページ6)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:7,510 hit

Ⅵ ページ6

神山Side

　

　「あ、もちろん皆さん強制参加だからね」

　周りが静かすぎて嫌でも耳に入ってきたアナウンスは、俺のスイッチを入れるのには十分すぎた。
　
　ピアノの売り場から離れたしげとアイコンタクトをとる。

神「しげ、」

重「わかっとr…「ｷｬｰｰ!!!」

神「…あっちや！」

　しげの声を遮った悲鳴。急いで店を出ると、どっと人の波が押し寄せてきた。

重「うわぁ、やばいやんこれ」

　泣いてる子供の声、中年男性の家族を呼ぶ声、若い男女の叫ぶ声…。老若男女が右往左往しとる。大きな地震が起きたのかと錯覚してまう。さっきの悲鳴はその中の一部なのだろう。

神「しげ、行こう！」

重「どこに！？」

神「まず入口閉じられんの阻止すべきや！」

重「いや、」

　しげが俺の右手を掴んだ。

神「早くいかんと！」

重「それは淳太くん達がやってくれるはずや。神ちゃん、俺らはこの混乱を鎮めるべきや！より沢山の人を助けるために」

　そうやな、混乱の現場に実際に直面しとるのは俺らや。

神「わかった、」

・

・

中間Side

　
　照史と2人でセキュリティセンターに向かう。普通に考えて、出入り口の施錠はそこでしかできないはずやからな。

中「最上階にあるんやろ、」

桐「そうやったと思う！」
　
　
　人の波に逆らって、二人で走る。

　雑貨屋、本屋、携帯ショップ……、通り過ぎる店には店員も客ももう誰もいない。

桐「あ！！」

中「どした？！」

桐「淳太くん先行ってて！」

中「なんで？」

桐「あとでわかる！」

中「？、うん…。急いでな！」

桐「もちろん！」

　ちょっとよくわからんけど、照史なりに考えがあるんやろ…