今日:1 hit、昨日:32 hit、合計:5,457 hit
小|中|大
18 ページ18
いつも1番楽しみにしている教授の講義室で、いつもの席に座る。
続々と学生が入ってくるところをなんとなく眺めていた。
「どこ見てるん?」
隣から聞き慣れた声。
「あ、おはよう晶哉。」
「花子今めっちゃぼーっとしてたで。」
笑いながら晶哉はいつものように隣の席に座った。
同期の佐野晶哉。
バイトのためにサークルにも入らず、他の学生との関わりがほとんど無い私にとって、晶哉はこの大学で唯一の友達だ。
入学した時から、何故かいつも私を気にかけてくれる。
「昨日なんかあったん?花子がこの講義休むの珍しいと思って。」
「あー…ちょっと疲れちゃって。」
「そっか。忙しいもんな。無理せんでな。」
「うん。ありがとう。」
唯一の友達の晶哉にすら、私の生活の事情は教えていない。
せめて晶哉とだけは、お金の事を気にしない対等な関係でいたかった。
でもたまに、晶哉の優しさが私の心をえぐる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
39人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱沼 | 作成日時:2024年2月18日 0時