記憶 (ページ15)

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これは、やられる…。

どうしたらいいか分からなくなってしまった私は思わず目を瞑った。

左頬を優しく撫でられ、その手は耳を伝ってうなぎで止まる。

思わず目を開けると、末澤さんは

「そんな部屋着持ってたんや。」

と呟く。

朝の掃除のときはいつもジャージを着ていたが、今日は一回り大きいパーカーにショートパンツ。

ジャージを1日中着てしまったからいつもは着ない部屋着だった。

何も言わず私を見つめる末澤さん。

「…あの…映画…」

映画に話を戻そうとした。

「話逸らさんと、こっち見て。」

背中にもう片方の手を回され、ゆっくりベッドに横たわる。

「嫌やったら、今のうちやけど」

ベッドから末澤さんの匂いが強く香ってきて、私の頭は正常な判断ができなくなっていた。

「嫌では…ないです。」

末澤さんはまた不敵の笑みを浮かべて、

私の首筋に顔をうずめた。