記憶 (ページ11)

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床に座って小さなテーブルでご飯を食べた。

真向かいの末澤さんがかっこよすぎて、正直味なんて覚えてないけど。

「花子ちゃん今日どうするん？」

食べ終えた末澤さんが私に聞く。

今日はバイトも入れていないし、特に用事はない。

「部屋で課題やります。ずっと溜めてたので。」

「…そっかー。やっぱり忙しかってんな。」

末澤さんは私の目を見てまた困ったように笑う。

「今日、ここ居ればええやん。ご飯とかつくるし、色々とお金浮くで〜。」

「はい！？」

また何を言い出すんだこの人は。

「課題やるだけならここ居ればええって。俺やって急に人いなくなるの寂しいねん。」

「いやでも…さすがにずっとお邪魔するのは…。」

「駄目なん？」

今度はまた余裕の笑み。

この人は多分、寂しいなんて思ってもいない。

私で遊んでるだけ。

知り合って数日の男の人に好意を抱いてしまった幼気な女の反応を楽しんでるだけ。

それなのに…。

「パソコンとか…持ってきます。」

私は荷物を取りに部屋に戻った。