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「花子、寝られへんの？」


ついさっきおやすみを言ったばかりの彼が私に問いかける。


「…考え事してた。起こしちゃった？」


「かまへんよ。寒いからもっとこっち。」


ふざけたように笑って私の背中に手を回す健。


私の名字は、もう少しで小島になる。


今が幸せのピークの時期。


「花子あったかいなぁ。もう寝そう…。」


彼の柔らかな笑顔を見ると、心が満たされる。


それと同時に、ズキリと胸が痛む。


―


健の腕の中で思い出すのは、今どこにいるのかもわからない人。

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作者名：朱沼 | 作成日時：2024年2月18日 0時

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