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かららんころん、からころん。

何処かで響いた下駄の音。微かに聞こえたように思えたその音は何処かに消え去っていく。夕闇に染まる前の青空は曖昧な景色だ。ぎゃあぎゃあと鳴くからすは家へ帰る途中なのだろうか。見上げたからすは赤い目を光らせて何処かへと飛んでいく。


___からすの眼は赤だっただろうか。ぼんやりと滲む夕日を背にした私の背後に大きな影が射す。




「___逃さぬ」





逃げなくては。存外冷静に答えを叩き出した頭とは裏腹に、動かない躰に大きな影は近づいていく。なにか白く光るその生き物は、私をぱくりとひとのみに飲み込む。途端に感じた痛みに思わず呻いた。あつい、あつい。息が、苦しい。



___ああ、なんて厄日か。



ふ、と目を開けると目の前に広がったのは真っ暗で真っ黒な闇の世界。目を開けても閉じても変わらぬ闇。

どこからか、声が聞こえた。




「___そなたは、未だ生きたいか。」




生きたい、と答えるとその声は嘲笑った。物好きな奴めと。




「___生きてみるがよい、その姿で。」






***

はいこんばんはWriterです。
ゲゲゲの鬼太郎にはまった……!高山さん凄い。5期万歳。キタネコ好き、尊い。宜しければご覧下さい。

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作者名:Writer | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年4月8日 1時

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