ナナが居た。 (ページ9)

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触れたナナの肩が熱いと思った時には、抱き寄せられていた。

『Aちゃん、ごめんね。』

「ううん」

『沢山謝らないといけないことがある』

「うん」

『うさぎちゃん死んじゃった。だから会えなかった』

「え」

『あの日、約束の日に死んじゃって会えなかった』

『うさぎちゃんも居ないならきっとAちゃんは会いにきてくれないと思って会えなかった』

『怖くて手紙も書けなかった』

「そうだったんだ」

『ごめんね』

「ううん、しょうがないもの。うさぎちゃん残念だったね」

『うん、もう怖くてそこからうさぎちゃんも飼ってないんだけどね…Aちゃんに合わせたかったな』

「ふふ、今度写真で見せてほしいな」

『もちろん』

そこから落ち着いた私たちはその場にとどまって話していれば、また親戚たちに呆れられたようにもう、お開きだと呼び出される。

別れる時にナナに話した

「私もうここには来ない。きっと親戚の集まりにも行かないしお葬式も来ない」

『うん』

「だからナナにはもう会えないかもしれない」

『うん、わかった』

「ナナ、お別れじゃ無いよ」

『また会える。そんな気がする』

私の親戚付き合いにも何も言わずにナナは何も突っ込まなかった。
きっとナナは私がこの親戚たちに嫌気がさしていることについてもきっとわかってくれている。

そう信じて。

ナナとここでお別れ

『じゃあね、Aちゃん。』

会った時と同じ綺麗な笑顔で見送ってくれた

「じゃあね」