ナナが居た。 (ページ6)

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中学生でも一人になることを好んで教室から抜け出して屋上や地下の階段に篭ったり空き教室でぼーっとしたり相変わらず集団からは少し異色で浮いた存在だった

そんな私を先生は異様に心配して両親に言うから、両親は毎度のごとくみんなと一緒に行動しなさい。と叱った。

団体行動はちゃんとしている

ただずっと居るのは疲れるから、たまに一人になっているだけなのに…悪いことのように言われて更に人付き合いというものが煩わしく感じた

中学３年の高校受験のかかる大事な試験期間に祖母が亡くなったと連絡が入った。

親と私は離れた祖母の実家に行き、お葬式に参加した。
その時も正直私は葬式どころじゃなくて数式ばかり頭に浮かんでいた。

通夜の後の通夜振る舞い
親戚一同が集結する中、母や女性陣は慌ただしくする中私は一人窓の外を見ていた。

そこに居た叔父さんとおじいちゃんはお酒飲んで居たんだろうね。

「Aちゃんは気が利かないね…そんなのだとお嫁さんに行けないよ」

「ばあさんもAはいっつも一人で居るってずっと心配してたのになー変わらないな」

私の存在を否定された気がしてすごく傷ついた。

「ごめんなさい」と謝って他の人が居る集団に近づいたら今更来たのかと言う呆れた顔をされた

ならば私はどこに行けばいいんだ。と部屋から離れて一人で会場付近を歩いた。

通夜会場のおばあちゃんの遺影を囲む花々を見つめる。

おばあちゃんは未だにモンモンの散歩の時のこと怒っているのかな？

まだ、私が従兄弟と仲良くしないことに不満に思っているんだろうか。

そうだ、試験。
試験のことを思い出して荷物の中のワークと問題集をしようと部屋に戻ろうとした時にカチャと音がなる

扉を見れば制服を着た男の子が居た

あ、この子…

知ってる……。