ナナが居た。 (ページ4)

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「ありがとう」
なんだかナナには事実を知って欲しくて、最初から全部泣きながら話した。

ナナはゆっくりと頷いて話を聞いてくれた。

「モンモンが急に怖くなっちゃった…
今まであんなことしなかったのに」

『うん』

「リード離しちゃったから、私のせいでモンモンが死んじゃうかもって怖かった」

『うん、怖かったね』
ナナは私の震える手を握ってくれた

「ナナ…」

ナナだけが私の気持ちをわかってくれた。
ナナだけが私を慰めてくれた。
ナナだけが私に優しくしてくれた

好きにならない訳がなくて、この日から私は優しいナナに恋をした。

『痛いね』

血が固まりかけている赤い膝小僧に絆創膏を貼ってくれた

「ありがとう」

「ナナ…ナナに会えなくて寂しかった」

『僕もこんなに会えないなんて思わなかった。ごめんね』

「ナナは元気？」

『うん』

「ならよかった！」

その後は私の膝が痛いだろうからって椅子に座って話していた

ナナのお家ではうさぎさんを飼ってからお泊まりが難しくておばあちゃん家に来れなかったみたい

「うさぎさんいるの？！」
うさぎなんて学校でしか飼えない動物だと思っていた私は大声で驚いた

『うん！とおっても！可愛いいよぉ』
それからは自分の家のうさぎがどれだけ可愛いか力説してくれた
きっとすごく可愛いんだろうな…私も見てみたいな…とワクワクしながら話を聞いた。

話した後は悲しそうな顔して『だから今日もお泊まりできないんだ』

「そうなんだ…うさぎさんがいるならしょうがないよ。今度ナナのお家に行ってもいい？」

『来てくれるの！？嬉しい！！』

ナナは突然ハイテンションになって嬉しそうに私の周りを走り始めた

私は膝が痛いから座って見ていただけだけど、楽しそうなナナを見て嬉しかった。

その後すぐにお互いの両親に、ナナの家にお泊まりの許可を得ようとお願いしたけどナナのお家は遠いから送り迎えが大変だと言うことでこのお話は無しになった。

二人してショックを受けてテンションは急降下

ナナとナナのうさぎさんと過ごせると思ったから、すごく悲しい。

「ナナ、私中学生になったら一人で電車に乗ってナナの家に行く。それなら何も問題ないでしょ？」

『僕も早く大人になりたいな…そしたら車でAちゃんのことを送り迎えできるのに。誰にも何も言われないのに…』

二人、一匹と会えることを願ってまたいつ会えるかわからないけど、その日はお別れした。