ナナが居た。 (ページ1)

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私とナナは親戚同士

初めて会ったのはひいおばあちゃんのお葬式

お互いが幼稚園生だった頃の話

まだお葬式がよくわからないけどひいおばあちゃんが死んじゃってもう会えないことがわかって

お葬式場から離れるバスの中で初めて泣いた

大人たちは静かに泣く私に気づかない。

近くに居た男の子だけが私が泣いていることに気づいた。

その子は大人に報告することもなく、私の隣の席に座って

「だいじょーぶぅ？かなし？」と心配そうに聞いてくれた

その優しさにまた涙が溢れた。

次に会ったのは、その翌々年のお正月

おばあちゃんの広いお家に親戚一同集まった。

最初のうちは図鑑を読んだりしていたけど次第に暇になった。

他にも従兄弟たちは居るけど、みんなと一緒にゲームする気にはなれなくて一人でおばあちゃんの家を散策する。

おばあちゃんの家には地下の下に床下部屋があって、そこがお気に入りだったけど危ないから入るなと注意されていた。

一人で地下のお仏壇の前でじっとする。

名前も誰かもわからない遺影の横には、艶々の額に入れられたひいおばあちゃんの遺影

ああ、おばあちゃんのベッドはここにあったのにと少し思い出して悲しくなった。

そのあとも一人で、地下で過ごす。

何もゲームなんて無い、ただ外から聞こえる風の音や車の音ひとつひとつを聞く

すると階段を歩く軽いトントンという踏む音が聞こえた。

『あ、Aちゃん。ここにいた』

名前は知らないけど知ってる。
ひいおばあちゃんのお葬式の時に一緒にいてくれた男の子