崩壊の日【ウノ】 ページ46
私とウノ君は結構仲が良い。一緒にいる時間が長いのもそうだし、隙あらばふざけあったりもする。
「どーん！」
かくいう今も、私に背中を向けて雑誌を読んでたウノ君の背中に力一杯体当たりし、そのままの勢いで背中に乗っかった。
しかし私の力など、彼の力に比べればちっぽけなものだったらしく、彼は微動だにさえしていない。流石である。
「おぉ、やったな！」
ウノ君の楽しげな声が聞こえてきたかと思えば、彼の姿勢が大幅に崩れる。
それまで猫背だったのを、直立に直したのだ。
当然それに対応しきれる筈もなく、「わあ!?」とか間の抜けた声を漏らして、床に転がった。ちょっと痛い。
そしてそれに追い討ちをかけるかの様に、仰向けに伸びている私の両手首を掴んで覆い被さり、拘束するウノ君。
「はっはー！俺に勝とうなんて、っ」
そこで、彼の言葉が途切れ、表情が強張る。
それを疑問に思う暇も無く、その理由に気付く。
体勢が問題なのだ。
端から見れば、今の状況はウノ君が私を襲おうとしているように見えてしまうだろう。
「…ご、ごめ、ウノ君」
まずは口をついて出たのは、そんな謝罪の言葉。
だってそもそも私がふざけなければ、こんな事にはならなかったのだ。
体勢を直そうと焦って身を捩ったが、そもそもの話ウノ君が手を離してくれなかったら動く事も叶わない。
考えなくても分かりそうなものだけど、現状に焦りすぎてすっかり失念していた。
「あの、ウノ君」
「……。」
「…離して、くれないと」
動けない、と言おうとしたが言葉が出ない。
口を塞がれたのだ。
口元に暖かな人の体温と、眼前一杯にウノ君の顔。
キスされたのだ、と理解するのに時間を要する程度には思考が停止していて。
ウノ君が顔を離すまで、呼吸を忘れていた私は、酸欠から来る苦しみに喘ぐかの様に呼吸を再開する。
その呼吸の合間を縫う様に、私は口を開く。
「ど…どう、して…？」
「……わりィ」
彼の、空をそのまま映したみたいな綺麗な瞳が、切なげにぐらりと揺れる。
その中には、しっかりと私の姿が捉えられていた。
「も、一回だけ」
そして再び無くなる彼と私の距離。
二回目には息継ぎができる様になっていた私の頭の中では、ガラガラという、何かが崩れたかの様な音が、ずっと鳴り響いていた。
崩壊の日
もう、友達には戻れない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さなろ(プロフ) - とてもおもしろかったです！またナンバカの短編集を書いてくれたら嬉しいです！ (2018年4月16日 19時) (
レス) id: 84ef21ef5c (このIDを非表示/違反報告)
黒がみ(プロフ) - 悠さん» ありがとうございます！これからも頑張って下さいね！応援してます！^^* (2018年3月18日 21時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 黒がみさん» それ以外の色にしたい場合は、"red"の部分を他の色の英語を入れればその色になります！長文申し訳ございません。これからも頑張って下さいね！(*´ω｀)o (2018年3月18日 20時) (レス) id: 472ee73818 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 黒がみさん» 重ね重ねコメントありがとうございます！改めてよろしくお願いしますね、黒がみさん(*´∀｀*)文字を変える方法なのですが、例えば「ありがとう」←この字を赤くしたいときは、<span style="color:red">ありがとう</span> と打てば赤くなります。 (2018年3月18日 20時) (レス) id: 472ee73818 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 現津さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるのは本当に嬉しいのですが、なんとなく恐れ多くて正直ガクブルしております( ; ゜Д゜) (2018年3月18日 20時) (レス) id: 472ee73818 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠 x他1人 | 作成日時：2017年8月15日 1時
