硝子の靴はいらない【トロワ】 ページ45
"灰被り"と呼ばれたとある女性は、善良な魔女が授けてくれた硝子の靴がきっかけで王子様と結ばれたという。
彼女のそんな美しいストーリーに、だがしかし敢えて私は野暮な横槍を入れようと思う。
「絶対硝子の靴じゃ踊れないよね」
「それ言っちゃ駄目だよ」
デスヨネー、って返事をしながらも、あの幻想的な靴に想いを馳せる。
何せ、落っことしただけでパリンと砕けてしまう様な靴だ。舞踏会で踊ったりなんかしたら、ヒビくらいは入ってしまうんじゃないだろうか。
「だって絶体あれ歩くのも難しいでしょ！」
「そこは…ほら。魔法でどうにかしたんですよ、きっと。」
ここまで来て、まだそんな事を言ってるトロワ。
まあ一理ある。そもそもあの靴自体、魔法の塊みたいな存在なのだから。
…でも、分からない事がひとつ。
「どうして、魔女は硝子の靴をプレゼントしたのかな」
これだけは本当に分からない。
時間制限付きの魔法をかけるのなら、あの靴は邪魔にしかならないと思うが。
「理由なんて、一つしかないと思うよ。」
「うん？」
「王子の為さ」
言い切られても、分からないものは分からない。
「なんで？」と聞き返す。すると、
「だから、」
ぐいっと引き寄せられて、一気に縮まる距離
間近から見るトロワの肌は白くてキメが細かくて、顔立ちも整っていて女性に人気があるのも頷ける。
まるで女性みたいに綺麗だけど、私の腰にまわされていた手は服越しでも分かるほど固い。きちんと男の人なのだと実感する。
「こうして、哀れなお姫様を捕らえてしまえば、硝子の靴じゃ逃げられないでしょ？」
ああ、成る程。そういう事か。
じゃあもしかして、全て最初から仕組まれていたのだろうか。だとしたらお伽噺もへったくれも無いな、と一人ほくそ笑む。
…しかしながら、笑っていられる状況でも無さそうだ。
「ねぇ、」
トロワとの距離が更に近づく。このままだと、キスしてしまいそうだ。
けど、私に逃げるつもりなんてなかった。
「逃げないで。…好き、なんだ」
「…硝子の靴なんて無くても、逃げないよ。」
その言葉を聞くと、トロワは驚いた顔を見せた後、ふっと穏やかに笑って私の頬を撫でる。
彼の体温を慈しみたくて、私はふっと目を閉じた。
硝子の靴は投げ捨てて
代わりに、誓いのキスと洒落こもうよ
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
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西 - この方角に福があるはずです
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さなろ(プロフ) - とてもおもしろかったです！またナンバカの短編集を書いてくれたら嬉しいです！ (2018年4月16日 19時) (
レス) id: 84ef21ef5c (このIDを非表示/違反報告)
黒がみ(プロフ) - 悠さん» ありがとうございます！これからも頑張って下さいね！応援してます！^^* (2018年3月18日 21時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 黒がみさん» それ以外の色にしたい場合は、"red"の部分を他の色の英語を入れればその色になります！長文申し訳ございません。これからも頑張って下さいね！(*´ω｀)o (2018年3月18日 20時) (レス) id: 472ee73818 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 黒がみさん» 重ね重ねコメントありがとうございます！改めてよろしくお願いしますね、黒がみさん(*´∀｀*)文字を変える方法なのですが、例えば「ありがとう」←この字を赤くしたいときは、<span style="color:red">ありがとう</span> と打てば赤くなります。 (2018年3月18日 20時) (レス) id: 472ee73818 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 現津さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるのは本当に嬉しいのですが、なんとなく恐れ多くて正直ガクブルしております( ; ゜Д゜) (2018年3月18日 20時) (レス) id: 472ee73818 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠 x他1人 | 作成日時：2017年8月15日 1時
