初心で無知なお前に。【短編集】

ジュースが溢れてる【悟空猿門】 ページ19

大体そういう事に誘うのは俺からだが、たまに酔ったAから誘われる事がある。

今が、そうだ。



「んー…」



俺の首筋にキスをしながら、服に手を掛けているA。
甘口のワイン一杯飲んだだけでこうなるとか、こいつどんだけ弱いんだよ。

いつもだったら手を出してたが、今日はそうはいかねえ。
ベッドに手をついて、上に乗っていたAごと自分も起き上がった。
Aは酔っているのか、真っ赤な顔でこっちを見ている。



「駄目…？」



「っ…だめ、だ!!」



押し倒しちまいたい欲求をぐっと抑え、拒否する。
「どうして？」と言いたそうな目で見てきやがるA。



…はあ。



「あのな…もうやらかしちまった後で言える事じゃねえけど、こういう事は酒入れてするもんじゃねえだろ」



「……。」



「？、どうしたんだ？」



「あ…あの、ですね」



「ああ」



「…私、最初から酔ってないです」



「」



…咄嗟に、さっきまでAが飲んでいたワインを手に取り、ぐっとあおる。
そして味わい、飲み込んだ。

……。



「これ葡萄ジュースじゃねーか!!」



「ごめんなさいー!!」



怒りのあまり、ジュースをテーブルに置く力が強くなり、ガンッッ!!と大きな音が鳴った。
…つまり、最初に誘ってきた時からAは嘘を吐いていたことになる。
くそっ。恋人とはいえ酒入ってる時に勝手に手を出した事、結構悩んだのによ



「ったく。なんでそんな嘘を…」



「だ、だって」



するとAは顔を紅潮させ、言いにくそうにおろおろしだす。
…くそ、可愛い。



「は…恥ずかしかったですし…そ、その。やらしいって思われるんじゃないかって」



一層顔を真っ赤にし、涙目でこっちを見てくるAに、何かが切れる。
切れたものが何かなんてとっくに気付いてたが、あえて知らんふりをした。



「…嘘吐きには、仕置きしねえとなあ？」



そうかこつけて、今度こそ本当にAを押し倒す。
手にぶつかったジュースがテーブルから落ちたが、今は気にしてられねえ。

溢れた葡萄ジュースの行方を傍目で見ていたAの顔を掴んで、キスをする。
驚いた様な顔をしていたが、雰囲気に呑まれたらしく。


そのままAは俺からのキスを甘んじて受け入れていた。




葡萄ジュースが溢れてる

葡萄の香りが充満する部屋に嬌声が響くのはもうすぐ

臆病なガーネット【九十九】→←貴女に会えるという事【百式百子】

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す