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一度
言葉にしてしまうと
想いは止まらない。


「あのね、あのね」
私の分かりにくい言葉を一生懸命に聞いてくれる蒼弥。


『うんうん』って頷く顔も
『ごめんな』って眉毛を下げる顔も
『バカだな』って笑いを堪えて強く口を閉じてる顔も

全部すきって伝えていいんだ。





「俺さ…アイドルじゃん」

ひとしきりの私の話を聞いた後、蒼弥が真面目な顔で話し出す。



「メンバーのみんなと叶えたい夢があって、その夢は絶対にファンの子たちとも一緒に叶えたいんだよ。だから…」

「うん」

「Aのことは大切だけど、全ての気持ちに応えられるかっていうと、それは無理だと思う。我慢……させることもあると思う。でも、それでも一緒にいたいから、信じて?」


それは、″アイドル猪狩蒼弥″を好きでいいのかっていう
私の気持ちの答えになった。


「アイドルの蒼弥も、好きでいていい?」

「いいよ」

「幼馴染みの蒼弥も?」

「もう、幼馴染みじゃないだろ」

「何?」

「俺の女」


ゆっくりと近づいてくる蒼弥が
今までよりも何倍もかっこよく見えて直視できない。

「もう、手加減しないからマジで」


キスされる
そう思って身構えていた私の期待を裏切って
ニヤリと笑った蒼弥が寸前で動きを止めた。


「こんな顔見せるのは俺の前だけな」


おでこにキス
続いて右の頬にキス

「…恥ずかしいんだけど」

私の抵抗もむなしく
左の頬にキス



「好きだ」


耳元で聞こえた蒼弥の声は

今まで聞いたこともない甘さと誘惑を含んでいた。

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設定タグ:HiHiJets , 猪狩蒼弥 , ジャニーズJr.   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:大宮さくら | 作成日時:2020年4月21日 22時

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