薔薇 (ページ25)

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勝利side

体育祭が終わって１ヶ月がすぎた

変わったことと言えば

あれから、小原君の笑顔が不気味だと思うようになったこと

そして

『宮地さんっ！！』

「、、、、っ！！！」

宮地さんに無視をされてるということ

それは、健人くんも一緒みたいで

風磨くんも

また、味気ない日常になってしまった

そして、僕の心に棘が刺さり

そこから、黒い感情が溢れ出していることを

まだ知らない

「勝利くん」

『小原くん！』

やけに、女子が騒がしいと思ったら

小原くんが原因か。

「どうしたの？浮かない顔して」

首を傾げて笑ってる

ん？笑ってる？

本当に笑ってるのかこれ。

綺麗な笑顔

いいや。妖笑と言うべきかなんなのか。

『実は、宮地さんに無視されてて何か知らない？』

「そうなんだ。
無視されてるんだ」

気に食わない

小原くんの笑顔が気に食わない

小原くんは、その笑顔を保ったまま

僕に近づいてきて

「もう、Aに近づかないでくれる？
関わらないでくれる？」

耳元で囁いた

『何で？』

「Aは、俺だけのものなんだから。」

狂ってる

本当に狂ってる

あぁ。そうか。

そういうことか

小原くんに対して抱いてた不信感

やっと、謎が解けた

『嫌だって言ったら？』

「ぶっ潰す」

小原くんは、狂ってる

でも、それと同じくらい

「Aは誰にも渡さない」

僕も

『宮地さんは僕の運命の人だよ。』

狂ってた