薔薇 (ページ16)

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「おっはよー！勝利！」

『おはよう。聡』

「今日は、体育祭日和だね！！」

今日は、体育祭で丁度いい気温だと思う。

一昨日が、体育祭予行練習で

あれから、宮地さんに会えてない

『テンション下がる』

「Aちゃんに、会えてないから？」

聡は、僕の顔を覗き込んで

ニヤニヤしながら聞いてきた。

その顔が本当に腹たって

「いったっ！！！？
どうして、肩パンするの！？！？」

『腹立つから！』

半泣きになってる聡を見て

ちょっと、爽快感?を覚えたのは秘密。

“今から、開会式を始めます
団ごとに並んで下さい”

開会式を始めるアナウンスが鳴って

皆が、ゾロゾロと自分の定位置につく。

クラスごとで

団ごとに並ぶから

もちろん、宮地さんが何団で

どこにいるのか分からないから

今の僕の気分は

下がっている。

「勝利くん！おはよ！」

隣から聞こえた

勝利くんという声

そして、聞き覚えのある声

キャーーー！

そして悲鳴

『小原くん！おはよ！』

隣を見れば、悠一スマイルが

凄い近い距離で見れる距離。

「勝利くんも、赤団なんだね。」

『うん。一緒だったんだ』

小原くんがここだという事は

ふと後ろの方に視線をやると

宮地さんが隣の女の子と話していた。

ツインテールの髪を時々揺らしながら

笑って頬を膨らませて

本当に表情豊かだよな

って

「Aのツインテール
走りにくそうって思わないか？笑」

ちょっと、笑いながら小原くんは

宮地さんを見た

でも、その目はいつもの愛おしそうな目で見る目

なのに

今日は、ちょっとどこか違う

その小原くんの目にどこか恐怖を覚えた

それと同時に

ゾクッ

ゾクゾクした何かが僕の身体を

駆け巡った

この時、僕達の歯車が

少し狂い出して

動き始めて

これから、起こることを僕らはまだ何も

誰も

知らない