**** ページ34
縁「断るよ。俺は例え拒絶されたとしても"約束"をしたからね。それに俺は完全では無い。俺こそが不完全だよ。……*筆の呼吸 弍ノ型 乱筆*」
縁は最後悲しい声でそう言った。鬼舞辻は眉間に皺を寄せながら縁の攻撃を避けていく。鬼舞辻は周りの被害など考えずに容赦なく攻撃をする。全てを防いでいる縁にも限界がきて鬼舞辻を空に蹴りあげた。
鬼舞辻「グゥっ!?」
建物の上に飛び乗った鬼舞辻は風穴の空いたお腹を治すと後ろに飛び引く。先程鬼舞辻がいた所を刃が通った。避けると手を縁に向ける。
鬼舞辻「*黒血 枳棘*」
縁に向かって赤黒い棘が何本も向かっていく。
縁「*筆の呼吸 漆ノ型 水墨婆娑羅*」
さらに縁と戦い続けて日の出も近くなっている。鬼舞辻はここでは分が悪いと考えて鳴女の血鬼術でその場から離脱した。縁もこのままだと転がっている死体を作った犯人だと思われるから”左目”を閉じて早々に立ち去る。
縁(次は全員で倒しに行ってあげるよ)
逃げられたがその意志の炎は消えていない。片手を肩に持っていくと羽織を掴んで握りしめた。その時肩の痣が少し疼いた気がして左腕の裾をまくってみると、縁は目を見開く。
縁「これは!?」
そこにあったのは肩にあった痣だ。肩から広がって左腕の肘あたりまできている。禍々しい黒を見せながら。ため息をつきながら袖を戻す。
縁(化け物といったり完全な存在といったりして矛盾していないか?そんなことより炭治郎と禰豆子の所に行かないと。今頃珠世ちゃんと愈史郎君の所だろう。無事だといいのだが)
縁は薙刀を隠すと急いで珠世と愈史郎の屋敷に走る。途中で風呂敷を回収することも忘れずに。
大正コソコソ噂話
炭治郎「兄ちゃんは睡蓮がどうしても苦手で触れないんだって!」
縁「どうしてもそれだけは駄目なんだよ」
炭治郎「見るのは平気?」
縁「見るのはね。"触れる"のは絶対に駄目なんだ」
呼吸説明*弍
筆の呼吸 弍ノ型 乱筆 らんぴつ
相手に悟らせないが無駄の多い規則性のない乱れた攻撃の技
ただ気をつけていないと周りの被害が凄い
漆ノ型 水墨婆娑羅 すいぼくばさら
鮮やかにかつ麗しく乱れて攻撃する型
乱筆の強化版で無駄がない
32人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2020年8月9日 9時