** ページ32
鬼舞辻「申し訳ないが急いでおりますので」
よっちゃん「おいおい随分いい服来てやがるなあお前。気に入らねぇぜ。青白い顔しやがってよお今にも死にそうじゃねぇか」
指をさして言う。鬼舞辻の目が見開かれる。明らかに空気が変わった。鬼舞辻は軽く腕をよっちゃんの頭に振るうとよっちゃんは壁に当たる。女がよっちゃんに駆け寄ってよっちゃんの兄が怒る。
女「あんた!死んでるよ!よっちゃん息してない」
よっちゃんの兄が怒って殴りかかるが一蹴りで建物の上に飛び、血を吐いて地面に倒れ込む。震えている女に鬼舞辻が近づいて問いかける。
鬼舞辻「私の顔色は悪く見えるか。私の顔は青白いか?病弱に見えるか?長く生きられないように見えるか?死にそうに見えるか?違う違う違う違う。私は限りなく完璧に近い生物だ」
人差し指を顔の前に持ってくると普通だった爪が伸びる。ゆっくりと女の額に持っていくと刺した。女が絶望に染る。
鬼舞辻「私の血を大量に与え続けられるとどうなると思う?人間の体は変貌の速度に耐えきれず細胞が壊れる」
女は血を入れられるとその面影も残さずに溶けていく。残ったのは女を包んでいた着物だけだ。鬼舞辻が指を鳴らすと男女の鬼が現れる。
鬼舞辻「耳に花札のような飾りをつけた鬼狩りの頸を持ってこい。いいな」
鬼は言われると直ぐに立ち去った。残ったのは鬼舞辻だけだ。鬼舞辻は上から気づいていた気配がやってくるのを感じて避ける。
?「避けられたか」
鬼舞辻「貴様は……何故此処に居る?」
時間を巻き戻す。縁はお館様に頼んで炭治郎と同じ任務を貰っていた。勿論炭治郎には内緒で。浅草には鬼が潜んでいるという。縁は”鬼舞辻無惨”ではないかと考えていた。今の縁の姿は隊服を風呂敷に包み男物の着物を着ている。薙刀は羽織で隠してあるからギリギリ見えてはいない。錆兎と真菰には今回、鱗滝の所に帰ってもらっている。
縁(ん?あれは炭治郎?何故走っているんだ?……もしや)
縁は物凄い勢いで走る炭治郎を見つけるとばれないようについて行く。禰豆子が居ないのは不思議に思ったが妹を信じることにして炭治郎の後を追う。炭治郎が一人の男性の肩を掴んだ。
縁(鬼舞辻無惨か……相変わらず冷たい目だ。それよりも炭治郎は……)
縁はどちらにも気づかれないように路地裏に隠れて見つめる。鬼舞辻が見えない早さで通行人の”一般人”の首を切りつけた。炭治郎が咄嗟に押さえつけたから誰も食われることはなかった。
32人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2020年8月9日 9時