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炭治郎「神様どうか。この人が今度生まれてくるときは鬼になんてなりませんように」

手鬼は泣いた。泣いて走馬灯のようなものを見た。幻覚のようなものを見た。暗闇で兄に手を伸ばす。

手鬼「兄ちゃん。兄ちゃん兄ちゃん手ェ握ってくれよ」

手鬼の兄「しょうがねぇなあ。いつまでも怖がりで」

炭治郎(錆兎、真菰。勝ったよ。もう安心していいよ。殺された他の子供たちもきっと帰るという約束通り帰ったんだよな。魂だけになろうと。大好きな鱗滝さんの所へ。狭霧山へ。死んだら俺の魂も帰った。禰豆子と鱗滝さんのいる所に)

七日目の早朝。生き残った五人は一人を除いてやって来た。最初にいた二人が出迎える。

炭治郎(たった四人……!?二十人くらいいたのにあの人もいない……。あの時俺が気絶なんてしたから……いなくなって……助けられなかった……)

此処にいるのは炭治郎と蝶と戯れる少女の"栗花落カナヲ"。死ぬ死ぬと呟いている"我妻善逸"。刀のことを聞く"不死川玄弥"。

かなた「まずは隊服を支給させていただきます。体の寸法を測りその後は階級を刻ませていただきます」

輝利哉「階級は十段階ございます。甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。今現在皆様は一番下の癸でございます」

玄弥「刀は?」

かなた「本日中に玉鋼を選んでいただき刀が出来上がるまで十日から十五日となります。さらに今からは鎹鴉をつけてさせていただきます」

空から鴉が人数の数だけ飛んできた。善逸だけは雀だった。

輝利哉「鎹鴉は主に連絡用の鴉でございます」

隣で玄弥が鴉を振り払ってかなたを殴っての髪を掴む。

玄弥「どうでもいいんだよ鴉なんて。刀だよ刀!今すぐ刀をよこせ!鬼殺隊の刀!"色変わりの刀"!」

炭治郎が怒って頭を掴んでいる腕を掴む。

炭治郎「この子から手を離せ!離さないなら折る!」

玄弥「ああ?なんだテメェはやってみろよ!」

炭治郎は息を吸うと思いっきり玄弥の腕を折る。玄弥が鋭い目付きで睨みつけるが動じない炭治郎。

輝利哉「お話は済みましたか?ではあちらから刀を造る鋼を選んでくださいませ鬼を滅殺し己の身を守る刀の鋼はご自身で選ぶのです」

炭治郎がひとつを選んで手に取った。

輝利哉「竈門炭治郎様。この手紙を貴方の兄、筆柱様にお渡し下さい」

"柱"という言葉にカナヲまで少し目を見開いた。耀利哉は懐から手紙を出して渡す。炭治郎は分からないから手紙だけ受け取る。

炭治郎「分かりました!」

第七話 目覚め→←*



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作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2020年8月9日 9時

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