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炭治郎は咄嗟に刀の柄で止めたが少年に蹴飛ばされる。霧の中少年は言った。
少年「鈍い。弱い。未熟。そんなものは男ではない」
炭治郎「急に何するんだ!」
少年「お前の方こそ何をしている」
炭治郎「何って鍛錬を……」
少年「いつまで地面に尻をついているのか。構えもせずに」
炭治郎が急いで立ち上がる。
少年「さぁかかってこい」
炭治郎「でも……君は木刀で俺は真剣だ」
少年「ハハ、ハハハ、ハハハハ!ふははは、ハハハッハハハハ!それはそれは!心配していただいてありがたいことだ。お前は俺に怪我をさせると思っているわけだ。心の底から安心しろ。俺はお前より強い!岩を斬っているからな!」
少年は木刀でまた打付けると顔を炭治郎に近づけさせて言った。分からせるように。炭治郎は岩を斬った発言で思考が止まり押し返される。
少年「お前は何も身につけていない。何も自分のものにしていない。特に鱗滝さんに習った呼吸術"全集中の呼吸"。お前は知識としてそれを覚えただけだ。お前の体は何もわかってない」
少年は木刀を凄い速さで炭治郎に打ち付けていく。
少年「お前の血肉に叩き込め。もっともっともっと!鱗滝さんが教えてくれた全ての極意を決して忘れることなど無いように。骨の髄まで叩き込むんだ」
炭治郎「やってる、毎日やってる必死で!でも全然駄目なんだ。前にっ……進めないこれ以上」
少年「進め!男なら、男に生まれたなら進む以外の道などない!かかって来い!お前の力を!見せてみろ!」
炭治郎は顎を下から打ち付けられて気絶した。霧の中から一人の少女がでてきた。少年と同じような花の掘られた狐の面をつけた黒髪の少女。
少年「あとは任せるぞ」
少女「うん」
炭治郎は目が覚めると女の子が目に入って先程のことを話し出す。とても興奮していた。
炭治郎「さっきの見たか?すごい一撃だった。無駄な動きが少しもない。本当に綺麗だった!あんなふうに俺もなれるかな?あんなふうに……」
少女「きっとなれるよ。私が見てあげるもの」
炭治郎「(かわいらしい……)君は誰だろう」
【その女の子は"真菰"と言った。あの少年は"錆兎"だと教えてくれた。さらに真菰は俺の悪いところを指摘してくれた。無駄な動きをしているところや癖がついているのを直してくれる。なぜそうしてくれるのかどこから来たのか聞いても教えてくれない。
真菰「私たち鱗滝さんが大好きなんだ」
この言葉は真菰の口癖だった。】
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作者名:神夜の羽織 | 作成日時:2020年8月9日 9時