【初期刀？】黒本丸浄化の旅【いいえ、初期槍です。】 (ページ31)

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打刀部屋ページ31

打刀部屋には二振の男士がいた。

こんのすけ曰く大和守安定と蜂須賀虎徹らしい
二振とも重傷であちこちから出血している。

あまりにも痛ましい姿なので思わず駆け寄る。

「このままでは危険です…手入れさせて下さい」

そう言うと大和守が薄っすら目を開け

「触るな！！汚い人間の癖に！！！」

私の手を叩き落とす。

「…………」

私はこの人達の辛さが分からない、けども
このままにしておくほど鬼畜でも無い。

「長谷部、蜻蛉切に命じます。
　二振を手入れ部屋に運んで下さい」

大和守は必死で抵抗したが傷が痛むのかあまり力は出なかったらしい。
蜂須賀の方は虫の息で意識が無くこのままでは
かなり危険だ。

廊下に出ようとした時、障子が開いた。

「兄ちゃんっ！！！」

橙色の髪の脇差くらいの少年が蜂須賀を見、叫ぶ。

「審神者様！あの方は浦島虎徹様です！！」

蜂須賀虎徹様と浦島虎徹様は兄弟なのです。と
こんのすけが小さい声で述べた。

浦島の手には水の入った桶とその中に手拭いが浸されている。

「……ッ、俺っ！何でもするから！！兄ちゃんだけは！！」

兄を失うまいと必死に懇願してくる浦島。

信じてもらえるかは別として状況を説明する。

「分かった……、けど！俺も連れて行って」

皆、不安を顔に浮かべていた。
けれど浦島ならまだ大丈夫そうだと思った様だ

連れ立って打刀部屋を後にした。