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目が覚めた。
『………？』
何で目が覚めたんだろうか。
自 殺に失敗した…？
でも、痛みが無い。
しかも体は横たわっていない。
座っている。
此処はあの世なんだろうか。
でも何故か手錠を掛けられている。
1人でグルグルと思考を張り巡らせていると、
(ｶﾞﾁｬｯ)
｢…あぁ、起きたのか？｣
現れたのは水色の髪の男性。
『……〜〜！』
声を発したつもりが、何かに遮られている。
｢悪い悪い、ガムテープ貼ったままだった｣
べりっ、とガムテープを剥がされる。
『…あなたは誰ですか』
｢ハハ、テンプレみたいな質問だな…？｣
『……答えてください』
｢……死柄木弔。お前を誘拐した。｣
『……身代金目的ですか？それなら無駄です、あの母親が私の為に金を差し出すなんて事はしない。絶対に。』
｢別に身代金目当てじゃない。｣
『はぁ…？じゃあ何です？殺す目的ですか？ならあのまま放っておけば死んでたのに…』
｢違う。俺の目的は……｣
近付き、顎を持ち上げられる。
｢…お前だよ、不破A…｣
『……は？』
彼は口の端をゆっくりと歪めた。
｢…大変だったんだぜ？お前の事調べるの……｣
理解出来ない私を置き去りにし、つらつらと彼は言葉を述べて行く。
｢住所、家族構成…中学での立場……まぁ、その他諸々を調べたんだが……おい、聞いてんの？｣
『は…はい…』
｢…まぁ要約すれば、俺はお前の事を幸せに出来るから拐った。そんだけ。｣
『…幸せに…出来る…？』
｢そう、こんな風に……ん…｣
『…っ！？…んっ…！』
いきなり唇が触れた。
緩んでいた口をこじ開け、舌が口内を侵す。
暫くしてそれを離し、
｢ﾊｧ…快楽を与えてやる事も出来るし……望むなら痛みも与える…勿論食べたい物も食べさせてやるし…だからさ…｣
｢…この部屋で、幸せになろうな…A…？｣
涙でぼやけた視界で彼は歪に微笑んだ。
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作者名：鬼魏 x他1人 | 作成日時：2019年4月2日 5時
