〈#158〉天才ピアニスト ページ8
.
JN「前はコンクールとか、よく出てたんだ。その度に賞をもらって、いろんな会社からオファーが来たよ。最年少の天才ピアニストなんて、みんな珍しがって欲しがるからね」
話し始めた彼は、当時のことを教えてくれた。
JN「あいつも最初はオファーを受ける気だったんだ。その頃は、音楽ができればいいって思ってたから。それで、一度だけ有名会社のレッスンを受けに行ったんだ。けど、そこから帰ってきた時、あいつはこう言ってた」
.
YG『おれはただ音楽がすきなだけなのに。あいつらはそれを分かってくれなかった』
.
JN「まだ低学年の子どもが何を言ってるのかと思ったけど……要するに、会社の大人たちはあいつの才能で稼ぎたかっただけなんだよ。あいつの音楽への思いなんて、誰一人理解してくれる人はいなかったんだ」
その時の、あの子の姿が少しだけ想像できた。
きっと、小さな肩を落として、一人で寂しい思いをしていたんだ。
JN「それ以来、あいつは人前でピアノを弾くこともしなくなった。作曲ができるってことも、誰にも言わなくなったんだ」
「…そう、だったんですね…」
だから、あんなに嫌がってたんだ……
JN「けど、今回の劇でソレを受け入れたってことは、あいつも少しだけ頑張ろうって思えたからなのかなー」
そう言った彼は、嬉しそうに微笑んでいた。
JN「僕、あいつのピアノ好きなんだ。あいつが作る曲もね。だから、本人には言わないけど、今回の劇に参加してくれてよかったよ」
「私もです…ユンギ君のピアノは、本当に優しくて温かくて…ユンギ君そのものみたいで…」
JN「…」
「…また、ユンギ君にとって音楽が、落ち着くものになってくれればいいんですけど…」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 359人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Machiya(プロフ) - 田部田さん» うわぁぁありがとうございます。・°°・(＞_＜)・°°・。光栄です！ (2022年10月30日 21時) (
レス) id: ef956d5f5d (このIDを非表示/違反報告)
田部田 - 100回目の星を押しました！すごく面白いです！これからも頑張ってください！ (2022年10月30日 21時) (レス) @page1 id: 53ff48b43d (このIDを非表示/違反報告)
Machiya(プロフ) - YYami072さん» コメントありがとうございます…！！頑張って完結させますので気長にお待ちください！！ (2022年9月24日 23時) (レス) id: ef956d5f5d (このIDを非表示/違反報告)
Machiya(プロフ) - k.nさん» 読んでいただきありがとうございます！！最後まで楽しんでいただけると幸いです…！！ (2022年9月24日 23時) (レス) id: ef956d5f5d (このIDを非表示/違反報告)
YYami072(プロフ) - はじめまして！前から読ませて頂いていたのですがコメントする勇気がなく…初コメです。ユンギ君の言うのを躊躇った感じとかたまらないですね！だんだん繋がってくるにつれて期待と不安でもう最高に興奮してます。無理せず頑張ってください！応援してます。 (2022年9月24日 20時) (レス) @page50 id: 41ce7899c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Machiya
| 作成日時：2022年7月30日 18時
