雷雨とトラウマ ページ13
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ある日の夕方。
その日はいつもより曇り空がどんよりしていて、今にも雨が降ってきそうだった。
HS「わー、早めに帰った方がよさそうだね」
「びしょ濡れになる前に行きましょう」
買い物袋を手に、私たちは車へと急いだ。
HS「ジミナー?早く帰るよー」
後ろを振り向くと、何故かその場で立ち止まった彼がいた。
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HS「…ジミナ?」
「どうしたんですか?」
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私たちの声にも反応しない彼。
どこか違和感を感じた私たちは顔を見合わせ、私が彼に近づいた。
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「…ジミン?」
JM「…」
「帰りましょう、雨も降りそうだし」
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暗くなった雨雲を、虚ろな目で見つめる彼。
まるで、このまま雲に飲まれてしまいそうだった。
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「…ジミン!」
JM「!え、あ…A」
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声を上げると、ようやく顔を向けた彼。
私を見ると、彼は不思議そうに首を傾げた。
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JM「あ…えっと、どうかした?」
「…呼んでも、聞こえてなかったみたいだから」
JM「…ああ、そっか。ごめんね」
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彼は申し訳なさそうに笑うだけだった。
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「…何、見てたんですか?」
JM「え?…ううん、何でもないよ」
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彼はそう言って、私の手から買い物袋を取る。
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JM「雨降りそうだし、早く帰ろ」
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私の横を通り過ぎて、車へと向かう彼。
そんな彼の様子を目で追いながら、ホソクさんを見る。
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HS「…」
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彼の顔からは、いつもの笑みが消えていた。
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「…ホソクさん、ジミンは…」
HS「…、んー」
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彼は空を見上げると、片手を出した。
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HS「…雨、降ってきたね」
「え?あ、ほんとだ」
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顔に当たる冷たいもの。
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HS「……トラウマ、か」
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独り言のように言った彼の言葉は、はっきりと私の耳にも届いた。
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Machiya(プロフ) - ルイスさん» 読んでいただきありがとうございます…!!。゚(゚´ω`゚)゚。完結まで気長にお待ちください!! (2021年10月3日 22時) (レス) @page50 id: ef956d5f5d (このIDを非表示/違反報告)
ルイス - こんにちは!3章もハラハラドキドキしています(゚Д゚;)8人の行く末がどうなるのか、楽しみにして読んでいます。更新頑張ってください。応援してます! (2021年9月26日 17時) (レス) @page34 id: c62179e20e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Machiya | 作成日時:2021年9月19日 22時