39話 ページ39
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後ろを向く弟は、変わらない声でそう言った。
「…ふーん」
TH「Aは興味ないの？そういうの」
「そういうのって？」
TH「綺麗にされて、人前に出ること」
ボタンを留めながら、その言葉を考える。
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「……自分は自分が綺麗だと思ったことは一度もないから」
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事実だった。
どれだけ周囲がこの容姿を称賛してくれても、何の実感も沸かなくて。
鏡を見ても、そこにいるのはただの自分だった。
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「そう言ってくれるのは有り難いけど、自分にはやっぱり似合ってないと思う。こういうの」
TH「…」
用意された服をい終わると、タイミングを見たかのように振り返った弟。
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TH「そんな事ないよ。Aはキレイだよ」
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そんな言葉を恥ずかしげもなく言うのが、この弟だ。
彼は自分の手を引いて、鏡の前に座らせた。
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TH「Aは頭もいいし、運動もできるし、もしそんなルックスがなくても困らないかもしれない」
彼は自分の髪をブラシで梳かす。
TH「でも、俺はもっと、そのルックスを輝かせたいんだよ」
「…なんで」
TH「んー」
鏡越しに映る彼は、宙を見て考えた。
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TH「今度こそ、上手くいってほしいから」
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放ったその言葉に、彼を見た。
彼は無表情のまま、その三白眼で自分を真っ直ぐ見つめた。
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「……今度こそ、って何」
TH「……」
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答えない弟。
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………弟……？
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ガチャッ
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JM「ねぇ…まだ行かないの？」
TH「あ、ジミナ」
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omu(プロフ) - この章も終了ですか… magic shopの店主さんが何人か予想しているのですがまだ分からないです、、笑 次章では夢主ちゃんの恋模様が見れるといいな…と思ってます！ (2021年8月23日 15時) (
レス) id: f2228c905e (このIDを非表示/違反報告)
Machiya(プロフ) - omuさん» 読んでいただきありがとうございます！(;´Д｀)頑張って更新していこうと思いますのでこれからもよろしくお願いします…！ (2021年8月23日 15時) (レス) id: eb0ca8c370 (このIDを非表示/違反報告)
omu(プロフ) - はじめまして！［FAKE LOVE］から全作品読み、［Magic shop］まで来ました！前作の伏線やセリフが所々に散りばめられていて何度も感動しました。作品の更新気長に待ってます。いつも感動をありがとうございます（ ; ; ） (2021年8月23日 10時) (レス) id: f2228c905e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Machiya
| 作成日時：2021年7月15日 22時
